ミンガラーバー!
ファンドレイジング頑張り中、地球市民の会の鈴木亜香里です。
前回の記事で、事務局皆でファンドレイジングをやっていくために、週一でファンドレイジング会議をやることになったと書きました。
今回の記事は、そのファンドレイジング会議(以下、FR会議)の1回目の様子です。zoomで各地を結んで会議しています。議事録を作ってもらったので、ブログにするのがラク~!
ファンドレイジングの実践について知りたい方に参考にしていただけたら幸いです。
第一回FR会議
はじめに
本日の会議の目的、ゴールを確認し、アイスブレークで会の理念を確認しました。
本日の目的とゴールの確認
目的
ファンドレイジングに対する皆の意識を一致させる
ゴール
- ファンドレイジングの大切さを理解できている状態
- TPAの財務バランスについて理解できている状態
- ファンドレイジングの目標が設定できている状態
アイスブレーク
TPAの理念(ビジョン、ミッション、バリュー)を言えますか?
明文化されているか?明文化されていない場合どういう風に考えていますか?
→明文化されてはいるが、場合によって表現がまちまち。去年の年次報告書には載せていなかった。
ホームページ等で公開されている地球市民の会のミッション:
「世界中の人々が世界中のすべての幸せを自分の幸せと感じられる人=地球市民になること」
意見・感想
- 他団体の理念はポイント的で具体的なことが多い。障がい者について取り組んでいる団体なら「障がい者が生きやすい社会」など。国際協力なら「エイズ孤児」「子供兵」「貧困問題の解決」など。
- 他団体ではテーマが絞られているが、TPAは特定のテーマではなく抽象性が高い。
- ミャンマーでどういう団体かを説明するとき、どういうことを目指して活動しているのかというのを説明しにくいと思うこともある。
情報整理
私が中心に、事前に準備しておいたデータを見ながら、ファンドレイジング研修で習ったことをシェアしたり、TPAの財務状況について情報を整理しました。
ファンドレイジング研修で学んだことのシェア
ファンドレイジングをどのように実施するかといった手法の検討に留まっては成立しない。財源の成長、事業の成長、組織の成長の3つが相互影響しあっており、どれか一つを成長させてもダメ。3つを一緒に成長させることが必要。
TPAの財政現状
団体全体としては助成金の比率が半分以上を占めているが、厳密には事業ごとに異なっている。
- 国内事業・タイ事業は予算のほとんどを寄付金(ふるさと納税)に依存
- 奨学金事業はほぼ全額が支援者からの寄付金
- ミャンマー事業はほとんどが助成金に依存
ふるさと納税は返礼品の規制が厳しくなったり、逆風傾向にあるところも注視が必要。
ふるさと納税は海外事業に使用できないため、国内で有効活用する必要がある。
財政状況を踏まえた課題
団体全体
会費、事業収入、寄付金の減少傾向が続いている。
ふるさと納税が寄付金の扱いになるため、寄付金収入が増加しているような錯覚しがちだが、ふるさと納税以外の寄付金は減少しているので、注意が必要。
ミャンマー事業
寄付収入、事業収入を増やす必要がある。
国内、タイ事業
ふるさと納税以外の財源を確保する必要がある。(ふるさと納税者を支援者化するなど)
ふるさと納税を利用して稼げる事業をつくる必要がある。
→SDGs研修を企業向けに行い、有料化するパッケージづくりに取り組んでいる。
ファンドレイジングの目的
ファンドレイジング=ファン度レイジング(ファン度を上げること)、フレンドレイジング
→お金を集めることだけではなく、仲間・共感者を増やすということをも指している。「ファン度レイジング」の考え方は「地球市民を増やす」という当会の理念にも合っているのではないか。
→ふるさと納税は返礼品を目的にお金が集まっている。理念に共感しているわけではない。
目標設定
皆でざっくばらんに意見を出す形式で、目標をたてました。
目標を考える中で出た意見
- ふるさと納税以外の寄付収入○○円などの目標はどうか?(現在ふるさと納税だけで5000万円ある)
- 会員は近年集まらない傾向にあり、マンスリーなどで支援者を集めている団体も多いため、会員数の増加を指標にするのはあまり適当ではないかもしれない。
- 5年前の会員分析によると、会員者の半分は古賀先生(創始者)とのご縁から支援を続けておられる方が多く、古賀先生の力に頼ったままの状況が続いているといえる。
- 長期目標よりも、短期間の目標にしたほうが良い。
- 今年はコロナの影響により事業収入(スタディーツアー等)の増加は見込みにくいため、寄付金を集める目標をたてたほうが良い。
- ふるさと納税は時代の流れとともに小さくなっていく性格もあるため、ふるさと納税がなくても安定する基盤づくりをすることを考えれば、「ふるさと納税寄付者→TPA支援者」の流れを確立することが重要ではないか。
- 2018年に3か年計画(2021年度までに)では、①ふるさと納税で7000万円以上の寄付がある、②地球市民サポーターを300人獲得する(年間100人)、③8000万円を寄付・会費で賄い予算が4億を超える、の3点を策定している。
- 「予算が4億を超える」を達成するためには事業の数自体が増えるなど、戦略的な事業の成長が見込まれないと実現は難しい
今年度中に達成を目指す目標
- ふるさと納税以外の寄付金を1000万円増やす
- 新しく関わってくれる人の数(クラファンや単発寄付者含む)を300人増やす
- データベースをきれいに、使える状態に整える
目標が達成したら来年の今頃にはどんな状況になっているか?
- ミャンマーに学校が2校建っている
- さとおやさんが集まるか心配をしなくていい
- ボーナスがちょっと増えている
- 必要なときに声をかけられる人が増えている状態のため、クラファンなどもしやすくなる
- 広報用のいいカメラを買える
- 「寄付が1000万増えたから忙しくなる」ではなく「1000万増えたから楽になる」という影響になるのでは
- デザイナーなど外注ができ、広報クオリティをあげる投資ができそう
実施してみた感想
実施前の不安
第一回のFR会議をするまでは、かなり不安でした。
- 皆の業務を増やすことにもなるから、面倒くさがられるのではないか
- 私が一人で空回りしているだけではないか
- やってみても、うまくいかなかったらどうしよう
などなど。
事務局長からも、「FR会議をやること自体は賛成だが、狙いがよくわからない」「スタッフ研修が目的なのか?」などとメールが来て、イラッとしたり。
そのため、資料を読み込んだり、日曜日にパワポ資料をつくったりと、けっこう準備に時間をかけました。
意外と伝わっていなかった
この会議が終わってから「こういうことをやろうと思ってたのね、やっとわかった」と言われました。私は、頭の中にFR会議のイメージがあったし、企画書にそれを書ききったつもりではいたのですが、意外と皆に伝わっていなかったんだな・・・。事務局長にも伝わってなかったもん。でも、1回やってみて「わかった」そうなので良かったです。
目標は皆で決めることが大事
今回のFR会議で、ファンドレイジングの目標を決めました。その検討の際に、
- 2018年に3か年計画(2021年度までに)では、①ふるさと納税で7000万円以上の寄付がある、②地球市民サポーターを300人獲得する(年間100人)、③8000万円を寄付・会費で賄い予算が4億を超える、の3点を策定している。
という意見が出てきたんですが、実はこれが初耳のスタッフが大半でした・・・。3か年計画みたいな大事なことが、スタッフに共有されていなかったし、言われたかもしれないけど覚えていなかったんです。
自分たちで決めた目標ではなかったからでしょう。忘れられた目標は、もちろん達成も難しい・・・。今回決めた目標は、事務局皆で話し合ったので、たぶん忘れないと思います。
次回以降の進め方が変わった
第二回のFR会議は、私はデータベースの検討をしたいと考えていました。でも、データベースを実際に扱っているスタッフからは「もう少し検討時間が欲しい」という意見が出ました。また、「今年度で目標を達成するには、今すぐにでも動き出さないとダメだ」という意見も出てきました。
そのため、第二回はデータベースの検討ではなく、別の議題に変更。ファシリテーターも私ではなく、別のスタッフが進めてくれることになりました。そのときによって、ファシリテーターが変わるのは、準備の負担も分散できるし、それぞれの色が出て面白そうです。
私が一人で考えていたよりも、皆の意見が出て、FR会議がどんどん良い方向に変わっていっています。それがとても面白いなと思いました。
議題を出すと、話が進む
データベースについては、本部スタッフでFR会議とは別に時間をとって、検討してもらうことになりました。
実は、今まで「データベースを何とかしたい」という意見はずーっと出ていたのですが、「そうだね、どうする?」で終わってしまっていたんです。今回、全員参加の会議という場で、「データベースを検討したい」と議題を出したことで、期限を決めて検討することになりました。これだけでも、FR会議を提案した意味があったかなと思います。
第二回以降も続きます!こちらからどうぞ。