ミンガラーバー。
ファンドレイジングに燃えている鈴木亜香里です。
私の所属する地球市民の会では、毎週1時間程度、事務局皆でファンドレイジングについて話し合う会議(FR会議)を実施しています。今日は第三回!
前回の記事を見たい人はこちら。
【FR会議1】ファンドレイジング目標を立てる - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート
【FR会議2】寄付チャネルを整理する - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート
ケースステートメント作成
本日の目的とゴールの確認
2020年6月22日(月)11:00~
目的:なぜ寄付が必要か、どんな社会をつくりたいかを明らかにするため
ゴール:感動するストーリーをたくさん出せている状態。
ケースステートメントとは
「なぜ、資金を獲得する必要があるのか」を再確認することが大事。「なぜ、この活動を支援する必要があるのか」を支援者に伝えるために、メッセージを棚卸します。このメッセージの棚卸を「ケース・ステートメン ト(Case Statement)作成」と言います。
これをやっておくと、webやパンフを作るときとか、クラファンとか、広報のときに便利になります。潜在支援者に訴えかけるメッセージが手元にある状態になれます。
特に1,2,3と9が大事かなぁということで、ベストストーリーについて検討することにしました。
これまで使われてきたエピソード
これまで地球市民の会がよく使ってきたエピソードが、以下の2つ。
「日本人はバナナか」
「食べ物を与えるのではなく、食べ物の作り方を教えてほしい」
地球市民の会のHPに書いてあります。
これらのエピソードはかなり古くて・・・今の事務局世代が入る前からあったエピソードなのです。なので、現世代も語れる新しいエピソードが欲しいよね!
団体の存在意義
「世界中すべての者の幸せを自分の幸せと感じられる人=地球市民」の育成
みんなのしあわせが私のしあわせに
地球市民の会の存在意義を再確認しました。この2つは、webなどによく書かれているものです。
意見
- わかりやく、聞きやすい(なめらか)でよい
- 寄付やボランティアをすることで幸せになる=寄付・ボランティアなどを通して地球市民運動に参加する
- 寄付する=地球市民になるための一つの手段、だから寄付者を増やしたい
各事業であった感動エピソードの共有
感動エピソードを、思いつく限りあげていきました。
ミャンマー事業
- ライレンピー町で夜遅くまで村総出(2000人)で到着して待ってくれていて、ナナウ牛を2頭もしめてくれた。1頭は90万ks(7万円程度)で、現地の人の収入からしたらとても高い。1頭は女性たちからの感謝の印として寄付してくれた。ゲストたちをもてなす式典のために会場設営や発電機などの消費も惜しみなく提供してくれた。
- シャンで研修を受けた農家たちが、たくさんの野菜をナウンカセンターにもってきてくれた。
- タンボジセンターに行っている子どもの両親が、ライムジュースと家で採れた卵をわざわざ持ってきてくれた。一日2食しか食べないような貧しい環境なのに、感謝を示すためにできる限りのプレゼントをくれたのが嬉しかった。
- 卒業生や研修修了生が、「よかった」と御礼を言ってくれたり、周囲の人に評判を伝えて紹介してくれる。
- 「インパール作戦時代に日本兵に獲物を射る道具を貸して、道具が返ってくることはなかったが、今こうして貸した自分だけでなく家族や地域住民全員に生活改善となる支援が、日本からお返しのようにきているのは、神様がめぐり合わせた縁だ」と話してくれたライレンピーの人。
- 「昔は日本人は戦争を持ってきたが、今は教育を持ってきてくれてありがたく思っている」というミャンマー人。
- ウザベッタンは仕事も給与もあり、子どもも学校に行っている年齢だが、すべてを投げうってでも地域のためにとライレンピーの地域開発のために立ち上がった。
- 職員の子どもがプロジェクトサイトに一緒に行って、「お母さんはすごい仕事をしてるんだ」とほめてくれた。
奨学金事業
- タンボジの子が立派になった姿などは泣ける。卒寮してからタンボジに来て在学生をケアしたりスピーチしてくれる堂々とした姿には胸が熱くなる。
- タンボジの子どもたちは「地球市民」として育っている。OB会を作って、後輩のために講演をしてくれたり、寄付をしたりして、精神的にも金銭的にも支えてくれている。
- さとおやさんとさとごがzoomで対面。感動してさとおやもさとごも泣いていた。
タイ事業
- 志学生プロジェクトで衣類や家財具を寄付してくれる方々に支えられた。
- 志学生Yuさんがバイト代から2万円を仕送りとしてお母さんに渡したが「娘からお金をもらうのは初めて」とタイのお母さんは感動して泣いていた
支援者さん
- 年配の支援者さんたちは昔の日本を知っているから、ミャンマー人が頑張っているのを応援したいと思って支援してくれる&泣いてくれる。
- Mさんは、弟さんから相続したお金をミャンマー事業へまるごと寄付してくれた。決してお金持ちではないのに、寄付してくれる姿に感動した。
- ミャンマーファンのおじさんたちは、普段寄付など支援もしてくれているのに、駐在員が帰ってきたらごちそうしてくれたり、私たちに対して「ありがとう」と言ってくれる。
- 過去にスタディーツアーに参加した学生さんが社会人になって、寄付や奨学金支援などをしてくれている。
- 本屋さんが津波で建物も本もダメになってしまった。やっと店を立て直すというときに、ミャンマーの保育園建設に寄付してくれた。「自分も大変な経験をしたから、同じように大変な思いをしている人たちへもっと寄付をしたい」という気持ちで。
- 火事に遭ったがさとごの手紙が出てきて、「さとごも頑張っているから自分も頑張ろう」と言って、大変な時期なのに奨学金の寄付を増やしてくれた。
- 6年前にスタツアに参加してくれた方が大人になってから今年さとおやになってくれた。
- 自分の祖父がインパール作戦で現地で死にかけているときに、ミャンマー人に大変よくしてもらったからと恩返しでさとおやさんになってくれた方。
- 子供がいないご夫婦で、奨学金支援をすることで自分の子ども(さとご)ができることを喜んでくれる方もいた。
- 「日本の孫にお小遣いを少しあげても大事に使ってもらえないが、ミャンマーの子どもは少額でも喜んで大事に使ってくれるから嬉しい」と言う支援者さん。
感想・意見
- 国内と海外で共通する一言やエピソードがない。国内・海外に共通しているところは、①地域に根付いていること、②地域社会に必要なことに取り組んでいること。それを表せるエピソードがあると良い。
- ミャンマー支援者はミャンマーのみ、国内支援者は国内のみの支援に留まっているため、団体全体のファンとして各事業への共通した支援者になってもらうことを目指したい。
- 「ミャンマーは日本人が忘れてしまったものを与えてくれる」とよく言っているが、日本人が忘れてしまったものって具体的に言うと何?抽象的で現地に行ってない人にはピンときにくい。
- TPAとしては「可哀そう」系ではなく「一緒に感動を味わう」系がカラーとして合っているのでは?ミャンマー、タイ、スリランカはどこも世界全体から見ても「可哀そう」なところではない。 そして私たちも「可哀そう」という気持ちがモチベーションでは活動していない。
- 奨学金は支援するに至った経緯などが感動する。さとおやさんからの感動エピソードをストックしていく。
- エピソードのストックを貯めていこう。時期をずらして出したり、内容によって選んでいく。
- 駐在員のファンは多いが、事務局職員もファンづくりをして支援者に繋げるなど重要ではないか。
- コロナのおかげで村に行けずあまり発信ができないから、事務局からの発信などでファンづくりをしてもらうのは効果的ではないか。
- 戦争系の動機でミャンマー支援に至る人は意外と多い。まとめられそう。
- 子どもから言われる感動エピソードは、親世代にアプローチするときに使えるのではないか。
-
国内事業は大学生ボランティアなどを活用しているのでもっと国内の感動エピソードを知りたい
今回はこんな感じ。もっと思い出したらエピソードを追記していったり、もっと洗練させていくつもりです。
Panasonic助成の進捗確認
Panasonicで組織基盤強化の助成プログラムが出ています。こちらに応募したいなと考えているので、申請内容の相談をしました。
Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs - NPOの組織基盤の強化 - 企業市民活動 - CSR・環境 - 企業情報 - Panasonic
団体のどのの部分が一番の課題なのかが明確でないため、申請書を書くのに苦戦しています。お金の部分なのか、円滑なコミュニケーションの部分なのか・・・。ということで、皆でざっくばらんに意見を出し合いました。
TPAで働いていて良いところ
- 自由度が高い(ミャンマー事業でもプロジェクト立案等の自由度が高い=現場に裁量を任せてもらえている)
- 理事会と事務局との距離が近い(理事の皆さんが自分にできることをと積極的に提案や関わりを持ってくれる)
- 産休や育休など働き方への理解がある
TPAで働いていて嫌なところ
- ダサい。
- 理事は関わってくれるが、スピード感が落ちる。
- せっかく事務局がアイディア出したり新しい行動したりしても、理事に怒られることがけっこうあって悲しくなる。
- 風通しが悪い(物事が密かに決まっていく)。
- 国際協力を知らない人が多い(せっかく佐賀と世界を繋ぐ団体として活動しているのに、海外事業についての理解や想像に限りがある)
- 駐在員から見ると国内事業が見えないし、日本側からでは現地が見えていない。
- 経費の使い方が粗い(必要かどうか不明な旅費支出などが多いと感じる)
- 中期経営計画が適当。皆言えない。
どうなっていきたいか
- 国内と海外の事業への相互理解がある
- 勤務地を問わず全員で話し合える場がある
- 自信をもって「自分たちの活動はこんなことをしている」と言える
- 団体全体の中期経営計画がちゃんとあり、それに基づいた事業ごとの計画がある
第三回の感想
シニアが話しすぎ?
今回の話題が感動エピソードを出すということだったせいもあってか、勤務歴が長い人(シニア)ばかりが話しすぎたかも。若者の意見をうまく聞けずにすみません。遠慮なく言ってくださいね。
事務局長が参加できなかったのが残念。時間ずらしてでもいいから、なるべく参加してもらいたいです。
単純に楽しい
すぐに何かが変わるとか、結論を出すタイプの会議ではないのですが、コミュニケーションをとるという意味でこの会議はとても良いと思ってきました。あと、感動の話とか、考えていることを共有できるから、単純に楽しい。
次回は「潜在力診断チェックリストづくり」です。今後、チン州の学校建設のクラウドファンディングに挑戦するつもりなので、なかなか役立つ内容になるのではないかな。お楽しみに!