NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

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ハチドリ電力の評判やビジネスモデルを徹底解説!(2021年冬の電力価格高騰について追記)

ミンガラーバー。

地球市民の会のミャンマー駐在員、鈴木亜香里です。

 

突然ですが「ハチドリ電力」って聞いたことありますか?普段おうちで使っている電気を環境に良いものに切り替えて、しかも電気代の1%がNPO支援に使われるという新しい仕組みです。日常生活に負担を感じることなく、エコな活動ができます。

 

私の所属する地球市民の会も、ハチドリ電力に参加しています。ハチドリ電力について、評判やビジネスモデルの面白さなどを、ご紹介したいと思います。

 

ハチドリ電力とは?

詳しい内容は公式webより!

ハチドリ電力 | いま、私たちにできることを

 

ボーダレス・ジャパンが運営

ハチドリ電力は、「ソーシャルビジネスで世界を変える」がキャッチフレーズの株式会社ボーダレス・ジャパンが運営しています。「ソーシャルビジネスしかしない会社」として、カンブリア宮殿などのテレビでよく紹介されていたり、twitterなどでも人気で、今勢いがある会社ですね。ミャンマーでも、私たちの事業地の近くで活動されています。

 

ボーダレス・ジャパンはいろんな事業をやられていますが、今はとくにハチドリ電力に力を入れている感じがします。毎週のように、社長が前面に出てきて講演会をしていたときもありました。とにかく、熱い会社が今イチオシしているのが「ハチドリ電力」というわけです。

 

エコな電気を使える

2016年より、電気が自由化されて、好きな電力会社を選べるようになりました。「今より電気代が安くなる」という理由で切り替えることが多いでしょう。

 

でも、安い電気は果たして環境に良いのでしょうか・・・?環境にやさしくない発電方法を使っていたり、原発を使ってたりする場合もあるでしょう。反原発というポリシーを持っている人や、CO2の排出量を減らしたいと考えている人にとっては、値段よりも「どんな発電方法なのか」を気にしたいところです。

 

ハチドリ電力の場合は、CO2排出係数ゼロの電気を届けてくれるそうです。また、電気料金の1%が自然エネルギー基金になります。ハチドリ電力を使うことで、自然エネルギーの発電所を増やすことにつながるということ。環境問題を気にしている人にはピッタリの仕組みですね!

 

NPOを支援できる

環境問題に関心が高い人は、社会問題にも関心が高い人が多いのではないでしょうか。ハチドリ電力を使うと、電気代の1%がNPOへの寄付となります。ハチドリ電力に登録されている団体を「支援団体」として選ぶことができます。環境問題に取り組む団体もあれば、国際協力や子供の貧困など、いろんな問題に取り組む団体を選ぶことができます。私の所属する地球市民の会を選ぶこともできますよ。

 

支援金がどのように使われたかは、各団体からの活動レポートで見ることができるそうです。環境にも、社会にも良いことができるのは良いですよね!

 

値段が安くなることもある!

エコな電力で、自然エネルギー基金にも寄付して、NPOにも寄付するなら、値段が高くなりそう・・・。いくら良いことやってても、高くなるのは嫌よ!と思う人もいますよね。

 

それが、意外と高くならないみたいです。webサイトからシュミレーションができるので、東京の実家でシュミレーションしてみたのですが、5月の料金は安くなったとか。月によって変動はあるでしょうから絶対とは言えませんが、今より少し安くなるか、同じくらいで切り替えることができるみたいです。

シュミレーションはこちらから。

 

年間2.3トンのCO2が削減されるとか、木を168本植えたのと同じとか表示されて楽しいです。料金の予想も表示されます。

電力シュミレーション画面のスクリーンショット

我が家のシュミレーション例

私の団体も植林事業やってます

けど、木を植えるのってめちゃくちゃ大変ですよ。スタディーツアーで学生さん来ても、一人当たり10本も植えられません。穴掘りとか大変なので。市町村がやっている植樹イベントに参加しても、数本植えて終わりじゃないでしょうかね。そんな大変な植樹と同じCO2削減効果が出るのは嬉しいですね。

 

※2020年12月末から続いている電気卸売価格の高騰については、「電力取引価格の高騰→高騰分はハチドリが負担(2021年1月追記)」の段落に書いています。

 

切り替えは簡単

webから申し込みをすれば、ハチドリ電力が勝手に手続きを進めてくれるみたいです。楽ちん!一度使ってみて、「やっぱりやめたい」となっても解約金などはかからないみたいです。

 

webからの申し込みだけで、あとは勝手に環境に良いことや社会貢献ができるなんて、楽でいいですよね。毎日使う電気で、毎日楽々、よいことができる。私も日本にいたらやりたいなぁ。

 

ハチドリ電力に申し込んで、地球市民の会に寄付したいという方はこちらから!

認定NPO法人地球市民の会に電気で寄付 | ハチドリ電力

 

ハチドリ電力の評判は?

ハチドリ電力って怪しい?ちゃんと電気は使えるの?気になる評判をチェックしましょう。

 

問題なく使える

 電気の使い心地で気になることと言えば

  • 電気代はどれくらいになるのか?
  • 停電とか、暗くなったりしないか?
  • プランを変えたいときにすぐ変えられるか?

とかでしょうか。

 

その辺はwebサイトにQ&Aが載っていますし、LINEで問い合わせることもできるみたいです。ちなみに、webには「電力供給の信頼性や品質は従来と全く変わりません」と記載がありました。

 

twitterでハチドリ電力を検索してみても、ポジティブなツイートが多いです。「電気が使えない」というツイートは見たことがありません。 

 

電力取引価格の高騰→高騰分はハチドリが負担(2021年1月追記)

2020年12月末ごろより、電力の取引価格が高騰しています。先月や例年と比べて10倍近い値段がついている異常事態です。火力発電所のLNG燃料(液化天然ガス)が不足し、火力発電所が出力を制限していることや、寒波による暖房需要の急増が原因だと言われています。

 

ハチドリ電力は、市場連動型プランを採用しています。日本卸電力取引所(JEPX)が定めた価格で取引する仕組みです。今回、JEPXの卸売価格が高騰しているため、ハチドリ電力が自然エネルギーを調達する際の調達価格が上がってしまっています。この電力価格の高騰は2月ごろまで続くことが予想されており、電気料金が通常の2~3倍以上になってしまうこともありうるとのことです。電気料金2倍はきつい・・・!

 

「せっかく自然エネルギーに切り替えたけど、こんなに高くなってしまうと続けられない」という方もいらっしゃるかもしれません。でも、ご安心ください。なんと、ハチドリ電力が高騰分を割引して負担してくれるとのことです。

 

お住まいの地域の大手電力会社(東京電力など)の従来プランを基準とし、それを超える電気料金分はすべてハチドリ電力が負担いたします。つまり、大手電力会社をご使用されていた場合と変わらない電気料金になりますのでご安心ください。

電力取引価格 の高騰に関するお知らせと対応について|ハチドリ電力

  

この割引により、ハチドリ電力は月に数千万円の赤字を抱えることになります。まだ2020年8月に始まったばかりで、そこまで利益も出ていなかったはず・・・。でも、社長の強い想いで電気料金の負担を決意されたようです。

 

「政府も2050年CO2実質ゼロを掲げ、自然エネ導入に向けて動き出し始めたこの機運をここで止めてはいけない。共に持続可能な社会をつくろうとハチドリ電力の仲間になってくれた皆さんのご期待に背きたくないという想いで決断した」

ハチドリ電力、異常高騰分の電気料金を自社負担に – オルタナ

 

ハチドリ電力が料金を負担してくれるので安心ではありますが、ハチドリ電力に負担をかけないためにも、節電に協力したいところですね。家庭で無理なくできる節電方法について、ハチドリ電力のウェブサイトで紹介されています。

節電 7つのポイント | ハチドリ電力

 

twitterでは、ハチドリ電力のこの対応に称賛の声が上がっていました。「ハチドリが頑張ってくれているので、自分も節電を頑張りたい」というユーザーの声もありました。ハチドリ電力の「地球を守りたい」という本気が伝わってきますね。

 

詳細については、ハチドリ電力のwebサイトをご参照ください。

電力取引価格 の高騰に関するお知らせと対応について|ハチドリ電力

 

twitter上では盛り上がってる

ボーダレス・ジャパンは、広報やtwitterの使い方が非常に上手な会社です。そのため、twitterで見る分には盛り上がってるみたい。「ハチドリ電力に切り替えました!」というtweetをよくリツイートしていますね。

 

https://twitter.com/hachidori_pr

@hachidori_pr

 

環境や社会に良い電力を、という理念に共感できる人であれば、問題なく電気は使えるし、少しくらい料金が高くなってしまっても文句は出ないみたいですね。とてもポジティブなツイートが多く、見ていて気持ちが良いです。

 

ハチドリ電力のビジネスモデル

私もビジネスモデルとかよくわからないんですが、面白いなー、よく考えられてるなーと思うところを紹介します。

 

NPOの既存支援者を取り込む戦略

地球市民の会もハチドリ電力の支援先団体になっています。この支援先団体になるには、いろいろと条件があります。

 

  • 事務所の電気をハチドリ電力に切り替えること
  • 会員さんや支援者さん向けに、ハチドリ電力の宣伝をすること
  • 寄付の使い先を、ハチドリ電力のweb上で報告すること

などです。

 

NPO側としては、ハチドリ電力の考えには共感しているし、電力を切り替えるのも簡単です。会員さんや支援者さんに宣伝をすればするほど、自分の団体への寄付も増えることになるので、宣伝はもちろんやりたいです。寄付の使い道を報告するのは、当たり前のことです。今、波に乗ってるボーダレス・ジャパンと組めるのも、NPO側からしたら広報につながってありがたい。

 

支援者さんに宣伝するときも、切り替えコストがほとんどないので宣伝しやすいですね。申し込みするだけでできて、追加でお金がかかることもなく、電気代がめちゃ高くなるわけでもないですから。

 

NPOの支援者さんは、もともと環境問題や社会問題に関心が高い層が多いです。なので、ハチドリ電力に切り替える可能性も高い。NPOを使うことで、効率的にターゲット層にアプローチできますね。

 

「NPOへの1%寄付」は、NPOを無料で宣伝マンにさせるための戦略なのだと思います。そしてまんまと戦略に乗り、ブログで宣伝する私。

 

ハチドリ電力で地球市民の会を寄付先団体に選ぶには、こちらからお申込みです!

認定NPO法人地球市民の会 に電気で寄付|ハチドリ電力

 

ボーダレスの社長とNPO代表の対談「ハチドリTALKs」

NPOの支援者さん取り込みのために、ボーダレス・ジャパンの社長とNPO代表の対談をほぼ毎週のように実施しています。zoomを使った無料のオンラインイベントなので、ボーダレス・ジャパンに共感している比較的若い層の参加が多いんじゃないかな。

 

ボーダレス・ジャパンは、NPOの支援者さんむけにハチドリ電力の宣伝をし、NPO側はとがボーダレス社長の話を聞きたい層に活動の宣伝ができます。地球市民の会も出ましたよ。

 

ただ、ボーダレス社長との対談は参加者に若い層が多いせいか、あまりハチドリ電力への申し込みにつながらなかったみたいです。親を説得するのに難航するっぽい。なので、最近のハチドリTALKsはボーダレス社長は出ないことにしたみたい。一般向けというより、完全にNPOの支援者さん対象に振った感じのイベントになってるみたいです。

 

ハチドリ電力を検討しているあなたへのお知らせ

地球にやさしい自然エネルギーであるハチドリ電力を検討しているあなたは、環境問題に関心がある方だと思います。そんなあなたにおすすめ記事がこちら!

 

日本で買える!ミャンマーコーヒー6種+サブスク1種 - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

 

記事前半はミャンマーのコーヒーの話なのですが、後半を読んでもらいたいです。ミャンマーの焼き畑で荒廃している山にコーヒー産業を根付かせようというプロジェクトをやっています。コンセプトは「森を燃やすから、森を守るへ」。環境に関心がある、コーヒーが好き、ミャンマーが好きという方におすすめの記事です。

 

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