NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

ミャンマーのタウンジーという町で、国際協力をやっています。NGO活動、ミャンマーあれこれ、国際結婚育児ネタなど

NGO駐在員が考えた「NGO駐在員に求められる3つの資質」

ミンガラーバー。

ミャンマーでNGO活動をして10年目、鈴木亜香里です。

 

私の所属する地球市民の会では、現在、北チンの駐在員を募集しています。(3月31日募集締め切り)

www.terrapeople.or.jp

 

どういう人に来てもらいたいかという「求める人物像」について駐在員同士で話していく中で、「駐在員が考える、駐在員に求められる資質」がいくつか出てきたので書きたいと思います。

これからNGOの駐在員として働きたいという方の参考になれば幸いです。

 

仕事の能力面

駐在員は仕事としていくわけですので、もちろん仕事の能力が必要です。日本人一人で駐在する場合が多いので、カバーしてくれる同僚も近くにはいません。

基本的な事務スキルは当然必要です。その他に必要と思われることは以下の通りです。本当はもっといろいろあるのでしょうが、取り急ぎ思いつくものです。

 

団体の顔として仕事ができること

日本のNGOですから、日本人が団体の代表になったり、代表じゃなかったとしても現地事務所の一番上として見られます。そのときに、団体の顔としての対応ができるかがとても大切です。

 

例えば、支援をしてほしい村があるとして、安請け合いをしては絶対ダメです。大変な村の様子を目にすると「やってあげたい」という気持ちになることは多いのですが、曖昧な対応をすると村も期待してしまいます。期待させておいて、やっぱり支援できないとなるのは最悪です。

 

他にも、政府の偉い人が無茶ぶりをしてくるときもあります。それを毅然とした態度で対応できるかどうかが大切。ミャンマーの場合、若い人や女性だと舐められることが多いので大変なのですが、偉そうにならず、でもはっきりした態度をとれる人でありたいものです。

 

現地語

これは絶対条件ではありませんが、現地語ができれば、仕事の質が変わります。通訳さんの能力に影響されずに情報をとれるし、伝えることができるようになります。

 

いろいろな国に駐在していく人は英語を使うのでしょうが、特定の国にこだわりがある方は絶対に現地語ができたほうが良いです。もちろん、完璧でなくて大丈夫ですが、少しずつでも勉強しましょう。

 

www.ngomyanmar.com

 

適応力

仕事とは関係ない面ですが、特に辺境に駐在する場合に大事になってくるのが「適応力」です。

 

サバイバル力

途上国での駐在ですから、日本より不便になるのは当たり前。停電はあるし、ネット環境が悪かったり、キレイな水が手に入らなかったり、物がすぐ壊れたり。病院の設備も劣ります。

そういう環境でも、心折れることなく乗り越えていけるガッツと体力が必要です。サバイバル力ですね。

 

トイレが汚いから嫌~とかいう現代っ子は、日本に帰れ!と言いたくなります(笑)。山の上の村に行くには、バイクの後ろに乗ったり、時には1時間以上山登りをしないといけないこともあります。やっぱり体力は大事

 

車で長距離を移動することも多いので、車酔いしないことも地味に大事かなと思います(私はけっこう車酔いする・・・)。

 

何かが壊れたときに、工夫して修理できるかも大事な能力。私の場合は、ローカルスタッフに頼って、いろいろ修理してもらっています。

家の屋根が雨漏りするとか、電化製品がすぐ壊れるとか、雨季にはドアが閉まらなくなるとか、そういう不便を気にせず生き抜けるサバイバル力が大事です。不便が嫌な人は、徐々にストレスが溜まってしまい、短期で帰国してしまうことになるかと思います。

 

無いことを楽しめるか

辺境の駐在になると、何もないことが多いです。事務所として最低限の電気と水はあるとしても、ネット環境がない、レストランがない、娯楽がない・・・と、ないない尽くしの環境になることは多いでしょう。停電もしばしばあります。そして、日本人の友人もいない環境です。

 

私の駐在するタウンジーは、シャン州の州都であり、ミャンマーでも5番目くらいの大都市です。昔はネット環境も悪く、レストランもオシャレな店は少なく、停電ばかり・・・という環境でした。でも今は、ネットも使えるし、オシャレなカフェがたくさんできたり、スーパーマーケットができたりして、楽しく便利に暮らせています。日本人の友達もいるしね。

 

地球市民の会は、南チン州のミンダにも事務所を開いています。ミンダは小さい町で、外国人向けのイケてるレストランなんて1軒もありません。そこに駐在する私の同僚(20代女子)は、事務所の庭で鶏やアヒルを飼い、休日にはローカルスタッフに教えてもらった機織りをコツコツとやっています。「ヤギを飼ってチーズを作りたい」などと言い出しているので、事務所がヤギに荒らされないか少し心配です。

 

ミンダ事務所駐在員のFBより引用

この1年で私はニワトリとアヒルの飼い主になり、ケール農家になり、機織り女子になり、隣の家のどぶろく味見担当になった。獲れたてのリスを解体してスープにできるようになった。お見合い写真を見せにくるおじさんおばさんから上手に逃げれるようになった。文房具屋の店番をしたら食べさせてもらえるカモシカ肉カレーがおいしい。耳の聞こえない新聞配達のおじさんと散歩する休日の夕方がしあわせ。

足りないものは何もない。飼いたい、育てたい、作りたいものリストは増えるばっかり。

ここでただ暮らすだけなら別に難しくないけど、毎日心が満たされて胸いっぱいな生活ができるのは私だけなのでは、って本気で思うこの頃。私のスキがぎゅっと詰まってる、愛おしい場所。いいでしょ。

  

ミンダ事務所の彼女いわく「仕事でストレスがたまったときに、都会だと飲みに行ったり、友人に愚痴ったりすることができる。娯楽のほとんどない環境で、工夫して生活を楽しめるかどうかが、実は一番大事」とのこと。

 

短期滞在だったらどうでもいいんでしょうが、年単位で駐在するなら、辺境でもできるストレス解消法を身につけておくべきでしょう。

アヒルを抱きかかえる子ども

ミンダ事務所のアヒルが脱走し、近所の子どもが捕まえてきてくれた

 

現地に溶け込む力

私が一番大事と思っているのが、この「溶け込む力」です。これができない人は、いくら仕事の能力が高くても、この仕事には絶対向かないのでやめたほうがいいです。

「現地の人に好かれる力」と言ってもいいかもしれません。現地の人から嫌われる駐在員なんて、本当にいないほうが良いです。

 

一緒にチャレンジできる

農業系の団体だったら、農業を一緒にやる、下手でも一緒に草取りをする。現地語ができなくても、挨拶程度でもいいから覚えて、少しずつでも勉強する。現地の料理を美味しいと言って食べる。民族衣装を着る。そういう態度をとると、現地の人たちはとても喜びます。

 

下手でもいいからチャレンジする、一緒にやってみるという態度が評価されます。ローカルと同じことはできない!という人は、絶対に向いていないので来ないほうが良いです。

 

上から目線にならない

日本人が偉くて、ローカルスタッフを下に見ている人はいませんか?そういう態度はすぐにローカルの人にも伝わり、嫌われます。

 

以前、こんな事がありました。そのとき、私の駐在しているタウンジー事務所では、私ともう一人インターンの日本人がいて、日本人二人という体制でした。インターンの日本人は、ミャンマーにやってきて1か月くらいの新人です。

 

毎週月曜日は朝から事務所の掃除を皆ですることになっています。その日は、私は用事があり、少し遅れて事務所に行ったので朝の掃除に参加できませんでした。挨拶をして仕事を始めようとすると、インターンが私に話しかけてきました。「皆が月曜なのに朝の掃除をしなかったので、雷を落としてやりましたよ」と。

 

このエピソードを聞いて、どう思いますか?

おかしいと感じなかった人はNGOの仕事に向いていませんので考え直してくださいね。

 

そのインターンの日本人は、事務所で一番の新人なわけです。ミャンマーに来て1か月で、他のローカルスタッフはベテランばかり。その新人が、先輩に向かって雷を落とすって・・・ローカルスタッフに申し訳なくて、頭が痛くなりました。

 

もしローカルスタッフが掃除を忘れていたら、「掃除やりましょう」と声をかけたり、自分が率先して掃除をするなりすれば良いんです。ローカルスタッフは忘れていただけなんだから、誰かが掃除をし始めたら思い出してやります。それなのに、「雷を落とす」って・・・日本人同士だったら、新人が先輩に雷を落としたりしますか??

 

新人はミャンマー語もできないから、普段の生活も周りの皆がなんやかんやと世話を焼いてくれているんです。市場に連れていってあげたり、どこに何が売っているか教えてあげたり、具合が悪くなれば病院に送ってあげたり。生活力のない日本人なんて、現地の人から見たら子どもみたいなもんです。子どもにするみたいに、優しく世話を焼いてくれるローカルスタッフの温かさよ・・・。

 

新人は、ローカルスタッフを仲間や同僚、先輩として見ておらず、自分が管理する対象として見ていたのでしょう。「上から目線」というやつです。本人には自覚がなかったのでしょうが、上から目線の態度はちょくちょく顔を出し、ローカルスタッフには嫌われ・・・本人からの申し出もあり、数か月で駐在を終了して帰ってもらうことになりました。

 

まとめ

以上、駐在員に求められる資質を

1)仕事の能力、2)適応力、3)現地への溶け込み力

という3つの力に整理してみてきました。仕事の能力は努力で身につけられるとしても、適応力と溶け込み力を後から変えるのは難しそうな気がします。

 

「上から目線にならない」というのは、理解できない人には全く理解できないんでしょう。そういう人が国際協力の世界に足を踏み入れると、周りに大変な迷惑を与えることになりますので気をつけて。私自身も、「偉そうになっていないかな」といつも自分を振り返るように心がけています。

 

以下、参考記事です。よかったら読んでね。

www.ngomyanmar.com

 

www.ngomyanmar.com