NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

ミャンマーのタウンジーという町で、国際協力をやっています。NGO活動、ミャンマーあれこれ、国際結婚育児ネタなど

偏見と大反対を乗り越えて、私がイスラム教に改宗した理由

ミンガラーバー(ミャンマー語でこんにちは)

ミャンマー在住9年目の鈴木亜香里です。

 

実は私、イスラム教徒です。中国系イスラム教徒の夫と結婚するときに、イスラム教に改宗し、6年がたちました。敬虔な上座部仏教徒が多いミャンマーで、まさかイスラム教徒になるとは思ってもみませんでしたが・・・。

 

イスラム教徒の日本人は少ないので、驚かれることも多いです。今日は、私がなぜイスラム教に改宗することを決意したのか、ご紹介します。

 

彼はパンデーだった!

パンデーとは?

私の夫は、中国系のミャンマー人です。見た目は完全に中国人。色が白くて顔の系統も中国丸出しな感じです。そして、彼はムスリム(イスラム教徒)でした。ミャンマー語では、中国系のムスリムのことを「パンデー」と言います。あまり数は多くないので、ミャンマー人でも知らない人がいる単語です。

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中国丸出しの夫

ありえない彼の行動

付き合い始めた当初は、彼がパンデーだとは知りませんでした。最初に「あれっ?おかしいな」と思ったのは、パゴダ(仏塔)にデートに行ったときのこと。日本人からすると、仏教施設でデートなんて良くない気がしてしまいますが、仏教徒ミャンマー人カップルはよくパゴダでデートをしています。私たちも周りのミャンマー人カップルと同じように、パゴダデートへ。ところが、彼は「ここ、初めて来た」と発言し、仏像の前でお参りをしなかったんです!ミャンマー人的には、お参りしないなんてありえない!!「この人、もしかしたら仏教徒じゃないのかな?」と、私の心に疑いが芽生えました。

 

問いただすも、はぐらかされる

彼に「宗教は何?」と問いただすも「自分は無宗教だよ」とはぐらかされます。ミャンマー人で無宗教って、聞いたことがありません。そういえば、彼の家に遊びに行ったら、部屋にアラビア語の飾りがありました。もしや、イスラム教・・・??

ミャンマー人の友人に相談したところ、いろいろ聞き込みをしてくれ、「あの家はパンデーだよ」という調査結果が出ました。

最初から彼がパンデーだと知っていたら、おそらく私は好きになっていなかったでしょう。イスラム教徒は、戒律が厳しいと思っていましたから。でも、もう手遅れ。そのときには、彼のことを十分好きになってしまっていましたから・・・。

 

 

仏教徒からの大反対

その後いろいろとありましたが、パンデーの彼と結婚することになりました。すると、仏教徒のミャンマー友人は大反対!結婚自体を反対されたり、結婚は良いが改宗はやめろと反対されたりしました。以下、ミャンマー仏教徒から言われた反対意見の数々をご紹介します。

 

1)イスラム教徒は妻が4人いる

イスラム教の決まりで、妻を4人まで娶ることができるそうです。だから、浮気されるぞ!やめておけ。と言われました。

でもね・・・この当時のミャンマーの法律では、仏教徒でも、男性は養えるお金があれば、妻を複数娶れることになっていました(今は一夫一婦制に法律が変わりました)。イスラム教徒であろうが、仏教徒であろうが、浮気する男は浮気するんです。

 

2)イスラム教の家は、嫁をたたく

イスラム教では女性の地位が低く、嫁は鞭でたたかれる。家事もたくさんこき使われる。だからやめておけ!と言われました。

仏教徒の偏見ですね。中にはそういう家庭もあるかもしれませんが、夫の家は全くそういうことはありません。

 

3)他宗教の嫁をもらうと、賞金がもらえる

他宗教の嫁をもらってイスラム教に改宗させると、イスラム社会での社会的地位があがる。賞金をたくさんもらえるらしい。だから、出世や賞金狙いの結婚に違いない。やめておけ!と言われました。

賞金が出たら、私がもらうつもりでした(笑)。でも、本当は出世や賞金などはありませんでした。夫に聞いたら「誰がそんなことにお金出してくれるんだ?考えろよ」と笑われました。

 

4)来世もずっと不幸になる

ある友人は、お坊さんのところに私を連れていきました。お坊さんは「結婚して最初の3年は幸せかもしれない。でも、それ以降はずっと不幸だ。来世もずっと不幸になる」と、不吉な予言をしました。

イスラム教徒の考え方では、輪廻転生はありません。だから、「来世ないけど」って思いました(笑)。人の不幸を予言して不安にさせるなんて、嫌な感じの坊さんだと思います。今は結婚後6年たちましたが、不幸になっていませんから!

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イスラム社会のドンの第4婦人。家ではたたかれ、来世まで不幸が続くことが決定している(笑)

 

改宗を決意した理由

こんな風に、ミャンマー仏教徒からの反対はものすごかったのですが、私は改宗することに決めました。

 

1)改宗しないと、いじめられる

パンデーは少人数のコミュニティーです。私が住むタウンジーには、約200軒のパンデーがいます。だいたい全員が顔見知りです。パンデーの暇なおばちゃんたちは、いつも噂話をしています。

小さいコミュニティーで「あそこの家の嫁は、改宗していない」という噂がたったら、もう大変!宗教的イベントに誘わない、商売をやっている家なら不買運動をする、無視するなどのイジメが発生します。実際に、娘が仏教徒と結婚したからと言っていじめられ、仲間外れにされている人も見た事がありました。

私や夫が仲間外れにされる分には全く問題はなかったのですが、夫の両親が仲間外れにされると申し訳ないな・・・と。夫の両親は、パンデー以外の友人が少ないので、パンデーから仲間外れにされたら孤独になってしまいますから。

 

2)家族は同じ宗教が良い

ミャンマーでは、仏教徒・キリスト教徒・イスラム教徒などの宗教があり、もちろん宗教が違う者同士の結婚もあります。仏教徒とキリスト教徒のカップルだと、お互い改宗しないことが多いのですが、困るのは子ども。仏教のイベントに行けばよいのか、キリスト教のイベントに行けばよいのか?子どもが相手の宗教のイベントに行っているとき、自分は家で一人で留守番しないといけなくなって、それは寂しい・・・。

夫の両親の方針は「家族はみんな同じ宗教が良い」というもの。その方針には私も賛成でした。

 

3)夫を知っている人は、誰も反対しなかった

仏教徒の友人から大反対を受けましたが、皆、夫のことをよく知らない人たちでした。いわゆる、偏見ですね。

夫のことを知っている人は、誰一人反対せずに賛成してくれました。

 

4)ゆるムスリム

お祈りや断食、酒を飲んだらダメなど、イスラム教は戒律が厳しいイメージがあるかと思います。でも、夫の家は「ゆるムスリム」。夫が当初「無宗教だ」と言っていたとおり、厳しくないのです。

あまりにも厳しい家だと無理だと思いますが、ゆるムスリムなので、生活面での苦労はぜんぜんありません。

 

5)母の言葉

私の母親に「改宗しないといけないかも」と相談したところ、「うちは無宗教だから、改宗というより、入信でしょう」と気にしない返事。そして、「ブタ肉食べたかったら、日本に帰ってきたときにこっそり食べれば?」と。

実は、私が一番迷っていたのが、ブタ肉のことでした。ブタ肉が一生食べられなくなったら悲しい!でも、ブタ肉と彼とどちらが好きかと言われたら、まあ彼を選ぶかな・・・と思っていました。彼もブタ肉も両方得られるなら、私にとって、改宗はなんでもないことです。

 

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胸につけたバッジが中国風

 

結婚相手、これだけは嫌だ!3条件

彼と出会う前、私には「結婚相手、これだけは嫌だ」という3条件がありました。

 

1)イスラム教

ブタ肉食べられなくなったり、戒律が厳しそうだから。

 

2)中国人

日本と仲が悪い印象があるから。

 

3)苗字

鈴木姓は多いので、違う苗字になりたかったから。できれば珍しい苗字を希望。

 

・・・結局、うちの夫、3条件全部満たしてます。

イスラム教だし、中国系だし、ミャンマー人は苗字ないから鈴木のままで姓は変わらず。

好きになってしまったから、仕方がないですね!?

 

夫と結婚するまでのストーリは、イミダスにも連載していました。ライターの方がうまくまとめてくださっているので、こちらも読んでみてください♪

imidas.jp

 

敬虔な仏教徒が大多数を占めるミャンマーで、イスラムに改宗した私。マイノリティーになって初めて感じたこともいろいろあります。これから少しずつブログにも書いていきたいと思っていますので、応援よろしくお願いします!

 

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