ミンガラーバー。
ミャンマー在住10年目、鈴木亜香里です。
ミャンマー人の夫と結婚して、ミャンマーで3人の男の子の子育てをしています。ミャンマー流の子育ての良いところは取り入れ、納得できないところは鼻で笑いながら子育てしています。
ミャンマー流子育てで気に入っているのが「おくるみ」です。赤ちゃんが本当によく寝ます。日本でもおくるみを使う方はいらっしゃいますが、ミャンマーとは巻き方が異なります。
赤ちゃんが寝なくてイライラしている、背中スイッチに泣かされているという方におすすめの記事です。
ミャンマー式おくるみ
ミャンマーのベビー服
ミャンマーでは、新生児用のベビー服がほとんど売っていません。なぜなら、おくるみに包むから。上半身用の肌着は売っていますが、新生児用の長襦袢やロンパースなどはなかなか見かけません。
新生児に着せるものは、以下の4種類。
- 肌着
- ふんどし(三角形の布)
- 白いコットンのおくるみ
- フランネル生地のおくるみ
紙おむつは蒸れるので使用せず、布おむつという概念もないです。三角形のコットンの布(ふんどしと私は呼んでいる)を使用します。ふんどし布一枚でオシッコやウンチが吸い取れるわけがなく・・・漏らす度に全部着替えさせなければなりません。
寒い地域では、白いコットンおくるみを2枚重ねにし、その上にさらにフランネル生地のおくるみを巻いたりすることもあります。暑い地域では、フランネル生地を全く使わないこともあります。私が住んでいる地域は寒いので、フランネル生地を使いました。濃い色だと洗濯時に色落ちするので、白を選びました(第一子のときは、濃い青や緑のおくるみを買ってしまって、えらいことになったので)
おくるみ布の大きさは、新生児なら100㎝×100㎝くらいです。110㎝×110㎝くらいなら月齢を重ねても使えます。大は小を兼ねますので、大き目がおすすめ。
おくるみの巻き方
日本のおくるみの巻き方は、基本巻き、お雛巻きなどがあるみたいですが、いずれも首から下を巻くようです。対して、ミャンマーの巻き方は頭まで巻きます。
頭まで巻く理由としては、
- 座っていない首がグラグラしないように
- 頭が冷えないように
が考えられます。
また、手や足をしっかりと固定するのが、日本のおくるみと違う点です。手は「気を付け」のように体の横にまっすぐ伸ばし、足もまっすぐに伸ばして固定します。(手足をまっすぐに伸ばすのは、股関節脱臼の恐れがあるので日本ではやらないように言われていると思いますが、ミャンマーでは病院でもまっすぐに伸ばされます・・・。)
ミャンマー式は、人によって巻き方が少しずつ違います。ベッドに置いて巻く人と、抱っこしながら抱く人がいます。巻き方は違えど、完成形に差はあまりありません。さまざまな巻き方をムービーにまとめたので、見てみてください。
おくるみのメリット
首が座ってなくても抱っこしやすい
頭までしっかりと包んで固定されるので、ふにゃふにゃの新生児でも抱っこが簡単になります。ミャンマー人の多くは、おくるみに包んでいない新生児を抱っこできません!看護師ですら「怖い!」と言っていたくらいです。
モロー反射や背中スイッチを予防
おくるみの最大のメリットは、赤ちゃんがよく寝ることです。
赤ちゃんは寝ているときにビックリして手を動かしてしまい、起きてしまいます(モロー反射)。大きな音にビックリすることもあれば、何もないのに勝手にビックリすることもあります。おくるみにくるむと、手が固定されるので、モロー反射がなくなります。
また、赤ちゃんが寝たと思ってベッドに置いた途端に起きてしまう、いわゆる「背中スイッチ」。時間をかけてせっかく寝かしつけた努力が一瞬で無になる恐怖のスイッチですね。この背中スイッチも、おくるみは背中までしっかりと布があるため、スイッチの作動が緩和されるように感じます。
入眠儀式になる
新生児のときは常におくるみ着用ですが、生後2~3か月ごろになると、昼間の起きている時間はおくるみを使わないようになってきます。寝るときだけおくるみを使用します。そうすると「おくるみ=寝る時間」と赤ちゃんが認識するようになってきます。
現在、生後3か月の第三子は、起きている時間はロンパースを着ています。お昼寝と夜寝るときには、おくるみを使っています。おくるみに入れずにウトウトしたときは、背中スイッチが作動してしまいますが、おくるみに入れると「寝る時間だ!」と認識するようです。おくるみに入れて授乳したら、100%寝ます。
途中で起きてしまっても、おくるみに入れておけば、そのまま眠ってしまうこともあります。
おくるみのデメリット
股関節脱臼が心配
上記にも書きましたが、手足をまっすぐに伸ばして固定するので、股関節脱臼になってしまう心配があります。日本では、「赤ちゃんの自然な姿勢は腕はM字型、足はW字型」などと言われますよね。ところが、ミャンマーでは股関節脱臼の危険性に対する認識があまりないのか、医療関係者でも思いっきり手足を伸ばして巻きます。(義母は、「しっかり足を伸ばさないと、股関節が曲がる」などと言っていました。逆やん!)
私はなるべく手足を伸ばしすぎないようにしています。看護師、義母、お手伝いさんなどが巻いてくれる際も、足を伸ばしすぎないように注意をしています。そのおかげか、今のところ問題はありません。
我が家のおくるみの歴史
私はおくるみ好きに見えるかもしれませんが、実はアンチおくるみ派だった過去もあります。
長男は1か月
おくるみは1か月使用しました。初めての子育てだったため、まわりのミャンマー人のやり方を習うしかなかったからです。病院の看護師も、義母も、皆がおくるみ派だったので、おくるみを使うしかありませんでした。また、冬で寒かったこともあり、おくるみを使用しました。
股関節脱臼が心配でしたので、ゆるめて使用しました。長男はよく動いたので、いつも手がおくるみからはみ出していました。また、おむつなしでふんどしを使用していたため、毎回全部が濡れて大変でした。1回おもらしをすると、おくるみまで全部濡れるので、裸にしてまき直しです。
股関節脱臼が心配、自由に動けなくて窮屈そう、おもらしのたびに着替えさせるのが寒くて可哀そうと言う理由で、1か月たったら速攻でおくるみ卒業しました。義母からは「3か月くらいまでやるものだ」などと言われましたが、1か月で限界でした。
ちなみに、長男はぜんぜん寝ない子でした。背中スイッチが発動することも多かったです。寝るのが下手で、寝かしつけに時間がかかりますし、夜も1時間半ごとに起きてしまいます。1時間半睡眠が卒乳する1歳半までずーっと続きました。
長男のときにも、おくるみについて書いています。写真がかわいいから見て(笑)
次男は使用せず
次男のときは、おくるみを全く使用しませんでした。長男のときは、気弱な嫁を演じていた私ですが、次男の時は「義母の言いなりにはならず、自分の好きな子育てをするぞ!」と、謎の反抗心があったのです。
「おくるみは窮屈だ!着替えが寒い!」と言い、産まれてすぐからおくるみなしで過ごしました。ミャンマーでおくるみなしの新生児は珍しいので、看護師が何度も見学に来ました。
次男はよく寝る子でしたし、そこまで寒い時期でなかったため、おくるみなしでもいけました。
三男は3か月
三男のときは、コロナの影響で日本に一時帰国ができず、日本っぽいベビー服を調達できませんでした。ミャンマーで新生児用の服を探しても、おくるみ使用が前提のため、ロンパース的なものがほとんど手に入りません。薄手のものばかりで寒かったこともあり、おくるみを使用することにしました。
三男は、長男ほどではないですが、背中スイッチが発動します。また、モロー反射がよく起こるようで、おくるみなしでは長く昼寝できません。なので、昼寝と夜寝のときにおくるみを使用しています。現在、生後3か月。そろそろおくるみ卒業かな・・・。
次男のときの謎の反抗心もなくなり、良さそうなものは意地を張らずに取り入れ、余裕のある子育てを楽しんでいます。
赤ちゃんが起きてしまう!長く寝てくれない!と悩んでいる方、ぜひ大き目の布を用意して、ミャンマー式おくるみを試してみてくださいね☆