NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

ミャンマーのタウンジーという町で、国際協力をやっています。NGO活動、ミャンマーあれこれ、国際結婚育児ネタなど

寄付で自己表現!ソーシャルポートフォリオ「solio」で気軽に世界を良くしよう

ミンガラーバー

ミャンマー在住ファンドレイザー、鈴木亜香里です。

 

私は、「皆が寄付をしてワクワクする社会」になったらいいなと思って活動しています。これまで、「寄付をしたい気持ちはあるけど、どうしたらいいかわからない・・・」という方のために、いくつか記事を書きました。

 

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このたび、「寄付したいけど、どうすればいいのかわからない」方向けにピッタリのサービス「solio」がリリースされました。solio開発チームの方の話を聞いたり、実際に使ってみたりした感想を書きたいと思います。NPOの中の人にもおすすめの記事です。

 

solioとは

「寄付からはじまる、今よりちょっと、いい世界」がキャッチコピー!素敵ですね。

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solioトップページ

 

solioは、ソーシャルポートフォリオの略だそうです。国際協力、子どもの教育、動物保護など12個の社会課題ジャンルの中から、自分が気になるジャンルを選んでポートフォリオを作って寄付ができます。そのポートフォリオをSNSでシェアできるというもの。

 

一度設定すると、毎月自動的に寄付されるので楽ちん!もちろん、関心があるジャンルを途中で変更することもできます。

 

詳しくはサイトを見ていただくと良いかと思います。

solio | ジャンルを選んで寄付をする、ソーシャルポートフォリオサービス

 

solioの使い方は簡単!

solioはUIがとてもよく設計されていて、初めての方でもストレスなく寄付を始めることができます。スマホからでも簡単に始められます。クレジットカードを手元に用意するだけで、すぐ寄付が始められます。数分で終わります。

 

1.12個のジャンルの中から、自分が寄付したいジャンルを選ぶ。

ジャンルは何個選んでも良いようですが、3~4個選ぶ方が多いようです。

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寄付したいジャンルの右上のボタンを押します


 

2.毎月の寄付金額を設定する

寄付額は月額500円から99万円(!?)まで、自由に設定できます。クレジットカードから、毎月自動的に引き落とされます。金額は、途中で変更することも可能です。

 

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ボタンを押して金額を設定!

3.選んだジャンルの関心度合いを5段階で設定する

1で選んだジャンルそれぞれの関心度合いを設定します。すると、2で設定した金額が自動的にそれぞれのジャンルに割り振られます。

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なんとなくで操作できます。スクショ後、自然・環境保全を4にあげました。

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金額が割り振られました

 

4.必要事項の入力

クレジットカード情報と、領収書を送るための住所を入力します。

ちなみに、JCBは使用できないみたいです。気づかずに何度かJCBでやろうとして、エラーがでました。

 

5.SNSでポートフォリオをシェア

twitterやFacebookなどのSNSで、自分のポートフォリオをシェアすることができます。ポートフォリオには金額は記載されないので、「少額だから恥ずかしい」みたいに思う必要はありません。シェアしたくない人は、もちろんしなくてもいいです。

 

これで手続きは完了です。数分でできます。これから毎月、気になるジャンルの活動をしている団体に、あなたの寄付が届けられることになります。

 

信頼できる寄付先団体

あなたの寄付は、solioが選んだ「ちゃんとした団体」に届けられます。選定基準は、「認定NPO法人格、公益社団法人格、公益財団法人格を持っていること」だそうです。どの団体か詳しく知りたい場合は、ジャンル一覧の詳細ページから見ることもできます。今後、団体の活動報告も見ることができるようになるみたいです。

 

認定や公益法人格を持っているということは、寄付控除が受けられるということです。solioから届く領収書を確定申告の際に使用すると、税金が少しお得になる!

 

自己表現としての寄付

solioを利用した人の50%以上が、ポートフォリオをSNSでシェアしているそうです。twitterでシェアすると、こんな感じになります。

 

 私の場合は、国際協力はもちろん関心があるのと、他団体の活動を知りたいので。女性についても関心が高いです。自然環境については、しっかりやらないといけないと思いつつも、まだ一歩を踏み出せていないので、割合を高めに設定しました。

 

こんな風に、「私は○○だから、このジャンルを支援したい」と語る機会になりますね。寄付をすることが自己表現につながっています。

 

これまで、寄付したことを公表すると「偽善だ」「売名だ」などと叩かれたり、「良いことは黙ってやるほうが美しい」みたいな空気がありましたよね。でも、最近は少しずつ変わってきている気がします。solioの「寄付を自己表現に」という文化は、寄付文化の醸成のためにとても良いと思います。

 

いろんな団体に無理なく寄付できる

私たちの住む社会には、さまざまな課題があります。たくさんの団体が、それぞれの分野で活動しています。自分の関心が一つに決められれば、その団体を支援すればよいのですが、なかなか決められません。多くの団体に寄付したいけれど、自分のお財布は有限ですから、なかなか全てに寄付をすることは難しい・・・。

 

solioなら、多くの団体に一度に寄付することができます。月額500円から始められて、しかも自分が関心ある10団体くらいに一気に寄付が届きます。いろいろ考えてしまって寄付の第一歩が踏み出せない方は、まずは500円から、気軽にsolioで始めてみてはどうでしょうか。

 

NPOの中の人目線で見たsolio

ここまでは寄付する人側の目線で語ってきましたが、ここからはNPOの中の人目線で語りたいと思います。

 

目標は年間流通額1億円!

solioはまだ始まったばかりのサービスですが、これからユーザー数はどんどん伸びていくのではないかと思います。solioの中の人に聞いたところ、「年間流通額1億円をまずは目指す」とのことでした。単純計算ですが、年間1億で寄付先団体が100団体としたら、1団体あたり100万円です。年間100万円がsolio経由で入ってくると考えると、かなりありがたいです。

 

一人からいただける寄付は数十円だとしても、たくさん集まれば大きな金額になりますね!

 

新規支援者の獲得

solioのターゲット層は、「なんとなく世の中を良くしたいと考えているけど、何をしたらよいかよくわらからない人、まだ寄付をしたことがない人」です。我々NPOがすでに囲い込んでいる支援者さんとは別の層がターゲットとなっています。

 

solio経由で寄付してくれるようになった新規支援者さんに対して、活動報告をすることで団体に興味を持ってもらうチャンスがあります。

 

また、支援者情報をsolioよりいただけるらしいので、メルマガや郵送などでのアプローチも可能となります。月数十円の支援者に対して、どれくらいコストを割いてアプローチするかという課題はありますが、いろいろと工夫できそうです。

 

手数料は10%

solioのプラットフォーム利用手数料は10%。これは寄付者が払うことになります。例えば、寄付者が1000円寄付すると、100円はsolioの手数料となり、900円がいくつかの団体に分配されることになります。

 

この10%という手数料は、寄付プラットフォームの中ではかなり良心的です。普通は15%以上とるところが多いかと思います。カード決済手数料だけで5%くらいはかかりますから、solioの運営は大丈夫なのかと心配になるくらいです。

 

solioの運営陣は、全員が本業を別に持っているそうです。solioから儲けがなくても成り立つということで、手数料を10%に抑えることができているとのこと。今後も手数料値上げは考えていないということです。ありがたいですね。

 

 

NPO側から見て、デメリットはほとんどないです。(デメリットがあるとすれば、既存支援者さんが自団体をやめてsolioを始めちゃうくらい?あまりなさそう)

 

ですので、寄付先団体にぜひなりたいなぁと思います。まだ寄付先団体が少ない初期のうちがチャンスかと思います。

solio | 新しい寄付募集のプラットフォーム