NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

ミャンマーのタウンジーという町で、国際協力をやっています。NGO活動、ミャンマーあれこれ、国際結婚育児ネタなど

「寄付を全額現地に届けたい」と言う人が多いけど、それ本当に現地のため効果的なの?

ミンガラーバー(ミャンマー語でこんにちは)

ミャンマーに駐在してNGO活動をしている鈴木亜香里です。

 

国際協力に寄付をする方の多くは、せっかくの寄付だから、できるだけ効果的に使ってほしいと思われるかと思います。当たり前のことですね。

でも、中には「人件費に使ってほしくない」「日本事務所の管理費に使われるのは、ちょっと・・・」という意見があるのは事実。助成金を出している団体でも「人件費は認めない」というところが多いです。無償のボランティアでやってくれということですかね。私も学生のときはそう考えて、「全額寄付します!」という活動をしていました。

 

そこで今日は、全額現地に寄付することが本当に効果的なのかについて、考えてみたいと思います。

 

全額現地の子どもたちに届けます!

私は大学生のころ、ELANという国際ボランティアサークルで活動をしていました。ミャンマー人留学生の方が最初に作った団体で、ミャンマーにある孤児院を支援する活動をしていました。

ミャンマーに行く際に、トランクいっぱいに子供服の古着を詰めていきます。そして、孤児院にお金や古着を寄付。帰りは、ミャンマーのお土産小物をたくさん購入して、空になったトランクに詰めて帰りました。お土産小物は、文化祭で10倍の価格で販売し、利益をまた寄付するというサイクルです。

とてもやりがいがあり、楽しい活動でした。文化祭では、お土産小物を販売するだけではなく、孤児院の子どもが描いた絵を販売したり、寄付を集めたりもしました。

 

そのときに私が強調したのは、「送料はかかりません。私たちが自腹で飛行機代を出してハンドキャリーでもっていくので、全額が孤児院のために使われます」という言葉です。

大学生のサークル活動ですので、メンバーの旅費はもちろん、イベントに出るときの交通費などもすべて自腹。本当に寄付の全額を孤児院に届けていました。学生のボランティア活動ですね。

 

これが、果たして良い方法なのでしょうか?ボランティアに頼った活動をしていくことが。

 

 

ボランティアだけに頼った国際協力の限界

1)より効果的な支援をするために

ELANは学生サークルでしたので、全額寄付は、ELANにとっては良い方法だったと思っています。プロとしてやっているNGOが絶対できない方法ですので、学生団体の方はむしろ「学生だからこそ全額寄付ができます!」と広報することをオススメします。

 

ただ、ELANが効果的な支援をできたかというと、疑問が残ります。毎年、寄付金や支援物資を届け、子供たちと交流して帰ってくるという活動は、学生の身の丈には合っていましたが。

例えば、地元の人に支えてもらえるような仕組みを作る、孤児院が収入をあげられるようなビジネスを考える、そもそも孤児がこんなに多いのは何故か調査するなど、できること・やるべきだったことはたくさんあります。

 

年に数回、数日だけの滞在で、私たちがその地域のことをどれだけ理解できていたかも疑問です。やはり、ボランティアベースでできるのは、物資やお金を届けるといった単純な活動だけ。しっかり効果の出る事業を行おうと思うと、ボランティアではできず、プロとして活動していくことが必要だと思います。

 

 

2)持続性の問題

活動の主体がボランティアだと、どうしても別の仕事や用事に左右されて、続けられないという問題が出てきます。ELANは学生サークルでしたので、卒業とともに、下の代に世代交代をします。活発にサークル活動が続けばよいですが、世代によってメンバーのやる気や使える時間が異なるのは事実。

 

途中で支援が止まってしまうと、孤児院が困ってしまうことになります。上記のように、自立できる仕組みを作っていたなら良いのですが、毎年もらっていた支援を急にもらえなくなると、本当に困ってしまいますね。

 

 

3)ローカルスタッフの生活の問題

ちょっとまともな活動をしようと思うと、どうしても必要なのが、ローカルの方の協力です。ELANの場合は、孤児院のある地域にいる方(創設者の友人)が、時間やお金を割いて協力してくれていました。「わざわざ日本から来てくれているんだから」と言って、車を出して案内してくれたり、食事をおごってくれたり。このときのローカルの方のおもてなしに感動して、ミャンマーが大好きになってしまいました。

 

ただ、こちらも善意のボランティアだけでは困ります。本業の都合やボランティアのやる気に左右されていては、良い活動はできません。効果的な活動をしていこうと思うと、お金を払ってスタッフを雇用していく必要があります。現地の人に、ボランティアを強要することはできませんから。

 

 

まとめ

ということで、本当に良い国際協力をやろうと思うと、ボランティアだけに頼ると難しいです。「全額を現地に!」と言う意見は、現地のためになってほしいからこそ言われているのだと思いますが、本当に現地のためを思うと「プロとしてしっかり活動してほしい」と言うほうが良いですね。

助成団体がいまだに「人件費は認めない」と言っているのは、謎でしかないです。むしろ、「人件費出すからしっかりやれ!」と考えてもらえたら良いかと思います。

 

ただ、「スタッフがいるからこそ良い活動ができる」ということが、支援者の方から見えづらくなっているのかなと思います。そこは、駐在員や本部スタッフがどんどん発信していかなければならないことですね。

 

また、支援者の気持ちがこもった寄付を「浄財」ととらえ、できるだけ経費の無駄遣いをしないという心がけももちろん大事です。団体は使い道をしっかり公開(アカウンタビリティー)。支援者の方は、団体が無駄遣いをしないように、しっかり見張る。そういう関係性が必要でしょう。NGOスタッフとして、気を引き締めないといけませんね。

 

「ボランティア活動がいけない」と言いたいわけでは決してありません。ボランティア活動の意義や素晴らしいところはたくさんあります。お金が発生するプロだからこそできる活動もあるよ、ということです。

 

 

日本人スタッフを応援する人たち

と、まあ建前的な話はここまで。「全額を現地に!」的な意見はたまに聞きますが、実際のところ、身近にいる支援者さんたちは、私たちNGOスタッフにとても優しいです。(若干自慢っぽく聞こえるかもしれませんが、炎上しないで・・・)

 

1)お土産、ごはん、お小遣いをくれる

ミャンマーに来るときに「お土産何が良い?」と聞いてくださったり、日本食を差し入れてくださったり。佐賀の本部に私が行くときにも、イベントに顔を出してくださって、佐賀の和菓子などをお土産にくださいます。

佐賀ではいつも、寿司やイカ刺しなどの美味しいものを支援者さんからご馳走になっています。至福の瞬間!

「スタッフ皆で何か食べて」と言ってお小遣いをくれる方も!「ありがとうございます。団体の寄付にします」とこちらは言うのですが、「違う!団体への寄付じゃなくて、スタッフたちにあげたいの!ローカルスタッフのために使って」と言われると、もう断れません。こんな奇特な方もいらっしゃいます。ありがたい。

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呼子のイカ。佐賀は食べ物が美味しい。

2)支援物資を搬送してくれる

ミャンマーに年に数回旅行に来る方がいるのですが、毎回「運び屋」をやってくれています。飛行機に荷物を2つ乗せられるので、1箱まるまるは私の欲しいもの。私の実家から空港まで荷物を送ってもらえば、その方が空港でピックアップしてヤンゴンまで運んでくださいます。団体で必要なものも運んでもらってます。たまに日本のものを食べたり、こちらで手に入らないけどほしいものがいろいろありますから、本当にありがたいです。

 

3)駐在員支援寄付がある!?

どこの団体か忘れましたが、駐在員支援寄付を集めている団体を見たことがあります。「ミャンマーのタウンジー駐在員鈴木のための寄付」という感じで、駐在員の人数分の寄付コースが書かれていました。こんなのに寄付する人いるのかな??と私でも思いました(笑)。面白い取り組みだと思います。ただ、自分でやり始めるのは、なんだかやりづらいですね。

 

4)メールやコメントで応援

ブログやFBにコメントをいただいたり、メールやお手紙をいただいたりしています。遠くにいても、支援者さんからダイレクトに応援メッセージをいただけるのは本当に嬉しく、励まされます。これがあるから、仕事を続けていけるのかもしれないです。いつもありがとうございます!

 

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さとおやさんと、さとごのお手紙のやりとりを翻訳するのも癒されます。

 

5)現地まで会いに来てくれる

個人旅行やスタディーツアーなどで、現地に来てくれる方もいらっしゃいます。スタツアのリピーターさんもいます!遠いのに、わざわざ来てくださるなんて。ミャンマーという国に関心を持ってもらえるキッカケになれたのかなーと思います。

 

スタディーツアー2019年8月。申し込み締め切りは7月22日です!

www.ngomyanmar.com

 

 

こんな風に、顔が見える距離で応援してくださる支援者さんに支えられています。ミャンマーへの想いを、私たちスタッフに託してくださっていると思うので、その気持ちを受け止めて、もっと良い活動をできるように頑張っていきます。これからも、よろしくお願いします!

 

 

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