NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

ミャンマーのタウンジーという町で、国際協力をやっています。NGO活動、ミャンマーあれこれ、国際結婚育児ネタなど

ミャンマーの田舎から在外選挙は激ムズ!8年間1回も投票できてないバカ国民の話

ミンガラーバー(ミャンマー語でこんにちは)。

ミャンマー在住9年目の鈴木亜香里です。

 

2019年参院選真っ最中のときにこの記事を書いています。「選挙に行きましょう!」と言いますが、海外在住の日本人にとっては、投票に行くのがめちゃくちゃ大変です。お金も時間もかかります。しかし、しっかりと準備をしておけば、海外からでも投票できます。

 

今回の選挙、私は投票できませんでした。というか、ミャンマーに住んで9年目なのに、今まで一度も投票できてない、バカ国民です。すみません。ドヤ顔でブログにいろいろ偉そうに書いているのに、投票できてないなんて恥ずかしい・・・。言い訳すると、海外在住者の投票ハードルが高すぎるんです。詳しくは今日の記事で書いています。

 

今は「もっとちゃんと準備しておけば良かった」と後悔しています。次回のためにも、同じように海外在住の方のためにも、在外選挙のあれこれについてまとめます。日本にいる方も、海外ではこんなんだよーというのを知っていただけると嬉しいです。

 

在外選挙のやり方

基本は外務省のホームページに詳しく書いてあるので、それを参照していただければと思います。

www.mofa.go.jp

 

基本的な手続きは2ステップです。1)在外選挙人名簿に登録して、2)投票する。重要なのは、1)の手続きに時間がかかる(2か月ほど!)ので、それを見越して早めに準備しておくことです。

 

1)在外選挙人名簿登録

自分の住んでいる国の大使館等に行き、手続きをします。私なら、ヤンゴンにある在ミャンマー大使館です。

 

・日本を出るときに住民票を抜いておく

・在留届を出す

・海外に3か月以上継続居住する

などと条件があります。詳しくは外務省のHPで確認してください。

 

申請自体はとても簡単で、上記条件を満たして、パスポートさえ持っていればすぐにできます。申請後は、2か月程度待つ必要があります。準備ができたら、大使館から電話が来るので、都合のよいときに大使館に行き、在外選挙人証を受け取ります。

 

私の場合、ヤンゴンになかなか行くことなくて・・・。年に一度の一時帰国の際に、1泊だけヤンゴンに泊まるだけ。なので、在外選挙の手続きをしたいと思っても、そのためだけにヤンゴンに行くのもねぇ・・・と思って、最初の数年は手続きせずにおりました。

長男が生まれて、長男のパスポート申請のために大使館に行った際、ついでに在外選挙人名簿登録の申請をしました。在外選挙のことは忘れていたのですが、大使館に貼ってあったポスターを見てやってみたんです。申請自体は1枚書類を書くだけでできました。

その2か月後、大使館から電話が来て、「都合の良いときに在外選挙人証を取りに来てください」と言われたのですが、都合の良いときが全くなくて・・・。取りに行くのに2年くらいかかりました。選挙が近づくたびに大使館から「選挙が近いですが、取りに来られませんか?」と電話がかかってきて、申し訳なかったです。

 

 

2)投票方法3つ

在外選挙人証を手に入れれば、選挙のときに投票するだけ。3つの投票方法があります。

 

日本国内での投票

一時帰国中や、本帰国してすぐに選挙がある場合に、日本国内で投票できます。これは、私にはあまり関係ないです。一時帰国は年に1回だけだし。

 

在外公館投票

これが一番ポピュラーな方法ではないかと思います。特にミャンマーでは、多くの日本人がヤンゴンに住んでいます。ヤンゴン在住の方にとっては、簡単な方法ですね。投票期間に、1)で取得した在外選挙人証とパスポートを持って、大使館等に行くだけです。

注意点は、投票の締め切りが早いこと。今回の選挙は7月21日(日)ですが、ミャンマーでは14日にすでに締め切られています。

 

ヤンゴン在住の方にとっては良い方法ですが、田舎に住んでいる私にとっては、かなりハードルが高い方法です。私の住むタウンジーからヤンゴンに行くには、時間もお金もかなりかかります。

 

飛行機で行く場合、飛行機代や空港までの車代で250ドル。ぎりぎり日帰り可能ですが、まるまる一日つぶれます。

夜行バスで行く場合は、バス代が50ドル程度。時間は1日半かかります。あと、夜行バスで2連泊というのは、体力的にも厳しいです。酔うし、冷房がきつくて風邪をひくし、事故が多いので危険でもあります。(旅行者は割とバスを利用しますが、JICAや大使館勤務の方はミャンマーの夜行バスは使用禁止だそうです。危ないから)

子どももいるので、置いていくのも、連れていくのも大変です。

 

これで、100票くらい投票できるんだったら行くんですが、250ドルとか50ドルとかかけても、私が投票できるのはたったの1票・・・。飛行機代かけて投票に行ったという素晴らしい方もいらっしゃいますが、私はまだ行けたことがありません。

 

郵便投票

在外公館投票に行けない人のために、郵便投票もあります。

 

1.ミャンマーから日本へ、在外選挙人証と投票用紙請求書を送る。

2.日本から自宅へ、在外選挙人証と投票用紙が送られてくる。

3.投票用紙に記載して、日本にまた送り返す。

 

というステップ。これは私にもできそうと思ったのですが、在外選挙人名簿登録申請時に、「ミャンマーは郵便事情が悪いので、郵便投票ができません」と大使館に言われました!!衝撃です。

 

それでもやってみたいよねーと思って在ミャンマー日本大使館のHPをいろいろと見ていたら、「郵便投票ができません」という記載が無くなっているのに気づきました。これは行けるのでは??と思って試してみたのが、2017年の衆議院選挙です。

大使館から「選挙があります」というお知らせメールが来たので、翌日すぐに、在外選挙人証と投票用紙請求書を送りました(上記ステップ1)。そして、在外選挙人証と投票用紙が送り返されてくるの(ステップ2)をずーっと待っていたのですが・・・。届いたのは、選挙結果が出た翌日でした(笑)!

 

ミャンマーの郵便事情、悪すぎ・・・。選挙日が公示されてから請求したのでは、選挙に間に合いません。だから、ミャンマーの田舎に住む私は、投票ができません。

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これが投票用紙

 

今回の選挙、実は投票できた!?

今回の選挙も、「どうせ私は投票できない」という諦めモードでした。だって、1票に250ドルも払えないし、郵便は間に合わないし・・・。なので、ちょっとドヤ顔しながら「私は選挙に行きたくても行けないんだから、日本にいるあなたたちは行きなさいよね!」なんて思ってました。

 

そういう風にブログにも書くつもりで、いろいろ書類やHPを見直したりしていると・・・

「郵便投票の投票用紙は、いつでも請求することができます。選挙の実施・日程等が確定する前であっても可能です」

 という文言を発見しました。

 

なんと!今回、私、投票できたやん・・・。なのにドヤ顔で「選挙行けない」とか言ってて恥ずかしすぎる。気づいたのが遅くて、もう後の祭りです。次回は絶対に投票できるように、この選挙が終わったら速攻で、投票用紙を請求しておこうと思います。

 

今回投票できなかったのが、本当に悔しいです。というのも、山本太郎さんの演説動画を見たから。「山本太郎 演説」とかでググればすぐ出てきます。泣けます。熱くなります。応援したくなります。日本の政治には詳しくなくて、避けて通ってきた私ですが、彼の演説を聞いて彼に投票したくなりました。今の日本の政治に危機感を覚えている人には、ぜひ見てもらいたいです。

 

海外在住者にも投票しやすい方法は?

現状、海外在住者にとって投票はかなりハードルが高いです。いろいろ調べて、時間やお金をかけたり、準備をしっかりやっておかないと投票ができません。もっと投票しやすい環境を整えてもらいたいです。

 

例えば、在外選挙人名簿に登録している人には全員、投票用紙を郵送する(投票用紙を請求し忘れても間に合う)、インターネットで投票できるようにするなど。ネット投票は、日本で忙しく仕事している人たちにとっても良い方法だと思います。

 

そういう風に投票制度を変えるためにも、まずは投票に行かないといけないですよね。今回は私は無理でしたが、次回は絶対投票したいと思います。日本にいらっしゃる方はまだ間に合いますので、ぜひ投票をお願いします。