NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

ミャンマーのタウンジーという町で、国際協力をやっています。NGO活動、ミャンマーあれこれ、国際結婚育児ネタなど

【国際協力講座】高校教育を受けたいミャンマーの子どもを救うのは「高校寮」

ミンガラーバー(ミャンマー語でこんにちは)

 

今日は昨日の記事の続きですので、まだ見てない方はこちらを先にどうぞ。

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www.ngomyanmar.com

 

高校が近くにないから、高校に通えないミャンマーの子どもたち。

この問題を解決するために、どういう方法を考えらえますか?という投げかけでした。

 

 

高校に通えない問題を解決する方法3点

1)高校を建設する

高校が近くにないなら、作ってしまおう!という方法ですね。

「学校建設プロジェクト」って、なんだか人気もあるようです。

 

高校建設は本当にできればよいのですが、ハードルがかなり高いです。

 

まず、お金の問題。

高校レベルの校舎を建てるには、教室だけでなく、実験室やPC教室も必要になるため、1千万円じゃ足りません。

 

生徒数の問題もあります。

ミャンマー政府から高校として認めてもらうには、生徒が最低500人はいないと難しいです。

田舎では、そこまでの生徒数を集められないというのが実情です。

私立高校として運営するのも、生徒数がいないと成り立たないでしょう。

 

高校建設は、かかる金額が高く、裨益が少ないので、あまり現実的な選択肢ではなさそうです。

 

 

2)奨学金をあげる

 お金があれば、高校がある村に住めるので、奨学金をあげよう!という案です。

 

村の寮であれば、年間70万ks~100万ks(約7万円~10万円)くらいで、生徒1名が生活できます。

(年収が10万円もない農家も多いので、農家が寮費を捻出するのは本当に大変なんです)

 

実際にこういう活動をやっているローカルNGO団体はあります。

対象地域を狭く設定し、その地域内で高校に通えず困っている子を探します。

支援金は生徒に渡すのではなく、その子が通う寮に渡すという方法です。

 

 

3)高校寮を運営する

遠くの村の子どもたちが下宿できるように、高校の近くに寮を作り、運営するという方法です。

 

日本では「高校寮」という言葉をあまり聞きませんが、ミャンマーではこれが一番ポピュラーな方法です。

運営主体はさまざまで、高校がある村が運営、お坊さんが僧院で運営、先生が個人的に生徒を受け入れる、地元ソーシャル団体が運営などなど。

 

 

私はパッと3つの方法を思いつきました。

他にも何か方法があったら教えてください!

 

どれが一番良い方法かは、場合によるかと思います。

迷ったときは、現地の人がやっている方法を参考にするのが一番!

 

ということで、ミャンマーで一番ポピュラーな方法である「高校寮」について、詳しく研究してみましょう。

 

 

 

実際の高校寮運営方法を詳しく見てみよう

高校寮運営方法は、大きくわけて2つあります。

建物のみ提供するか、食事も提供するかです。

 

1)建物のみ

遠方の子供たちが宿泊するための、寮の建物を提供します。

子供たちは無料か、とても安い価格で、寮に住むことができます。

ただし、食事はつかないので、自炊する必要があります。

 

建物があるのは助かりますが、自炊する費用がかかるので、「お金がなくて行かせられない」という家庭もまだまだあるそうです。

運営側としては、建物を準備するだけで良く、維持管理の負担が少ないです。

 

私が所属するTPAも、このタイプの寮を建設し、村の寮運営委員会にハンドオーバーした事例がいくつかあります。

 

 

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寮には個室はありません。男女・学年別の雑魚寝状態。個人スペースはたたみ1畳分のみ。

 

2)建物+食事つき

寝泊りする建物に加えて、生徒たちのために食事を出す寮もあります。

生徒たちは入寮費を支払い、管理者がそのお金を使って食事を出しています。

 

ただ、その入寮費だけでは足りませんし、中には貧しくてそれすら払えない家庭の子もいます。(払えない場合は、できるだけの金額を払う)

できるだけの金額で良いので、貧しい家庭にとっては、大変ありがたい寮です。

 

食事つきの寮の場合、運営者はお金について頭を悩ませることになります。

貧しい家庭の子も受け入れたいという気持ちで運営しているので、足りないお金をどこからか調達してこなければなりません。

 

お金を集めるには、いろいろな方法があるようです。

 

①高校がある村が支える

高校がある村の人たちが支えます。

畑でとれた野菜を寄付したり、朝食は各家庭が順番で用意をしたり。

 

寮に住むのは他村の子供たちです。

自分の村の子どもたちは、寮に住まなくても家から高校に通えますので。

 

他村の子供たちのためにそこまでやるのは何故??と 思ってしまいますが、村の教育戦略があるようです。(今度別記事で書きたいと思います)

 

②高校区域内の全ての村で支える

高校がある村1村だけではなく、区域内の全ての村が支えます。

TPAが建設した、ハムシー高校寮が該当します。

ハムシー高校の区域内にある40以上の村の全世帯から、「1軒あたり、年間500ks」の寮運営費を徴収しています。

子どもがいない家庭などは、高校寮の恩恵は受けられませんが「パオ族の子供は、パオ族皆で責任を持って育てたい」という気持ちがあるらしく、皆賛成しているそうです。(まあ、500ksだったらそんなに負担になりませんし)

 

これは、村の偉い人たちがしっかり話し合いをして決めないと難しいです。

ハムシーの場合は、寮の運営者にとても人徳があり、尊敬されている人だったという点も大きかったと思います。

 

あと、ちょっと昔に始まったから上手く行ったというのもありますね。

民主化された今、この制度を新しくつくろうと思っても、「強制的にお金を集めるなんてけしからん」と騒ぎ出す輩がかならず出るので難しいです。

 

③僧院が支える

ミャンマーには熱心な仏教徒が多いですから、僧院に寄進が多く集まります。

また、お坊さんの中には、村や地域の発展のために一生懸命尽くす方もたくさんいます。

いわゆる「開発僧」というやつですね。

 

高校寮の建物がない場合は、僧院を寮として使用することもあります。

(その場合、男子は小坊主にならなければならない場合と、小坊主にならなくて良い場合があります。僧侶の方針次第)

女子を僧院内に住ませる場合もあれば、僧院内には住ませられないので受け入れない場合、僧院外の何らかの建物に住ませる場合など、いろいろあります。

 

地元の人たちは、子供たちがたくさんいることがわかっているので、機会があれば食事や米を寄付します。

有名なカリスマ僧侶がいる僧院では、町からお金もちが来て、食事を寄付したりします。

中には、建物まで寄付する富豪もいます!!

僧侶のカリスマ性、マネジメント能力が高ければ、うまくいく方法です。

 

④ボランティアが支える

私の友人がやっているシーサインの寮が該当します。

寮の建物がないので、格安で一軒家を借ります。

寮母がいて、食事の世話をしてくれます。

家賃、寮母の給与、食費が必要ですが、生徒からの入寮費で足りない分は、友人などからの寄付でまかなっています。

しっかりやってくれる寮母と、寄付を集めるファンドレイジング能力が必要です。

 

ファンドレイザーたちは、友人を通しての口コミでお金を集めているようです。

毎月会費を払ってもらう会員になってもらったり、単発での寄付をもらったりしているみたい。

 

さすが寄付先進国ですね!

寄付にかなり頼るので、運営が不安定になることと、ファンドレイザーの負担が大きいことが大変な点でしょう。

 

⑤親の差し入れ

寮生の親が、ときどき会いにくることがあります。

そのときに、自分の家でとれた野菜などを大量に持ってきて、寄付することもあるようです。 差し入れだけではやっていけませんが、これも重要のようです。

 

⑥外国人が支える

インレー湖畔にあるマインタク孤児院が該当します。

外国のNGOや、観光で来た外国人の寄付を受け付けています。

運営費だけでなく、パソコンなどの教材、寮の建物、図書館用の本など、いろいろな物も寄付してもらっているようです。

 

また、外国人が来ることが多いので、英語など他の言語や文化にたくさん触れられるというメリットもありますね。

マインタク孤児院の院長はとてもカリスマのある人格者です。(地元の人)

彼の素晴らしさに心を打たれ、寄付する人が多いのでしょう。

 

また、外国のNGOが求めるマネジメント(報告、会計管理など)ができないといけないので、事務的に優秀な人も必要です。

 

⑦自分たちで稼ぐ

寮の中に菜園を作って自分たちが食べる野菜を自分たちで作ったり、外国人向けに手工芸のお土産を生徒が作って販売するなど、自分たちで稼ぐ努力をしている寮もあります。

子どもたちは勉強がメインなので、あまり仕事ばかりはできませんが。

 

僧院はお金を稼ぐことが良いこととされていないので、あまりやりません。

有志運営の寮で、少し取り入れられている方法です。

 

 

①~⑦が厳密に分けられるわけではなくて、複数の方法を組み合わせながら、資金の確保を頑張っているみたいです。

運営が上手なところは、口コミで情報が広がり、どんどん生徒数が増えています。

1600人以上になって、受け入れ切れなくなって、別の村に新しく寮を作ったところまでありました。

 

とにかく鍵になるのは、「志があり、マネジメント能力も高い運営者」の存在です。

カリスマ性もあれば、さらにマル!

本当に素晴らしい人やお坊さんたちが、ミャンマーの村にはたくさんいます。

そういう人たちの姿を見て学びながら、素晴らしい活動に参加する機会を得られて、大変恵まれた環境にいるなと感じます。

 

 

TPAでも高校寮を運営しています

実は、私の所属するTPAでも、高校寮を運営しています。

「タンボジ農業畜産センター」といいます。

 

「将来の農村リーダーの育成」を目的とし、貧しいけど頑張る気持ちのある高校生を受け入れています。

受け入れ人数は1学年8名という狭き門です。

 

運営方法としては、食事つきの寮となります。

生徒からお金はもらっておらず、日本の支援者さん(さとおやさん)からの支援と、野菜や卵の販売等で稼いだお金で運営しています。

 

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タンボジセンターの寮生たち

「私もミャンマー農村の子供たちを支えたい!」という方がいらっしゃいましたら、タンボジセンターのさとおやさんを募集中です。

月1000円×2年間(24か月)からできる支援です。

良かったら検討してみてください。

 

このページの、「タンボジ奨学金」というところをご覧ください。

terrapeople.or.jp

 

こちらの記事でも、タンボジ奨学金について書いています。見てみてね!

www.ngomyanmar.com

 

 

 

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