NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

ミャンマーのタウンジーという町で、国際協力をやっています。NGO活動、ミャンマーあれこれ、国際結婚育児ネタなど

寄付するとお金持ちになれるのは本当?なぜ?

ミンガラーバー

国際協力NGOで働いています、鈴木亜香里です。

 

最近、寄付のことをいろいろと考えています。「寄付をするとお金持ちになれる」とよく言われますが、それは本当なのか、なぜなのか。これだけ言われているのに、寄付をしない人が多いのはなぜなのか。

 

マネーリテラシーとか、お金の4つの使い方という切り口でいろいろと考えてみました。私の中で決まった答えがあるわけではなく、考えながら書いているので、思考の流れがウネウネしてしまっていますが・・・お金と寄付について学びたいという方に読んでもらえたら嬉しいです。(で、結局最後は宣伝になるんだけど)

お金の4つの使い方

きっかけは、オリラジあっちゃんの寄付動画

NPO・NGO業界で、こちらの動画が話題になったのをご存知でしょうか?

オリエンタルラジオの中田さんのYou Tubeチャンネルで「寄付をしてみよう」という動画が前編・後編の2本立てで公開されました。(2本で1時間くらいあります)

https://youtu.be/UJUvaXGNwmw

 

オリラジあっちゃんの動画では、こちらの本を元に説明がしてありました。動画を見た後にこの本を買って読んでみましたが、本の内容は動画でほとんど網羅されていました(あっちゃんのすごさを実感・・・)。

寄付をしてみよう、と思ったら読む本

寄付をしてみよう、と思ったら読む本

 

 オリラジのあっちゃんという超有名人が、熱い口調で寄付について語ってくれたことがとても嬉しく、力づけられました。NPO、NGO関係者は、めちゃくちゃ励まされて嬉しくて、話題になったのです。

 

フリーランス国際協力師の原さんが主催するオンラインサロンでも、「この動画を見て感想を語ろう」という勉強会を実施し、大変盛り上がりました。

 

meからweへ(私のため→私たちが)

この動画の中で、お金の使い方について説明してあるところがありました。

 

お金の使いかたには4つあります。 

  1. 消費:いま必要なもの、欲しいものを買う(me)
  2. 貯金:少し先の欲しいもののために貯める(me)
  3. 寄付:困っている人たちを助ける(we)
  4. 投資:将来の大きな夢のために増やす(we)

 

消費や貯金は、自分のために使うお金(me)です。でも、寄付や投資は社会をよくするためにお金を使うので、meのmがひっくり返ってwになり、weとなります目的語の「me」から、主語の「we」になるということがポイント!「私たちが」と、能動的になるのです。

 

投資の前に寄付を学べ

よく、「マネーリテラシー」とか、お金について学ぶことが大事だと言われます。その文脈では、消費と貯金と投資の3つだけが語られることが多く、寄付について語られることは日本ではまだ少ないようです。でも、実は寄付は順番的には3番目になります。

 

「投資」は、マネーゲームとかお金を増やすという文脈で見るのではなく、本来は「社会をよくするため」におこなうべきものです。その「社会をよくするため」がどういうことかを学ぶためには、「寄付」をするのが一番わかりやすい。なので、投資より先に寄付が来るんだそうです。

 

寄付と投資は似ている

他にもいろいろググって、お金の4つの使い方をこういう風に説明しているものも見つけました。

  1. 消費:お金を自分のために使う
  2. 貯金:お金を別のところにまわす、銀行が投資先を決める、利子がリターン
  3. 寄付:お金を別のところにまわす、自分で寄付先を決める、気持ちがリターン
  4. 投資:お金を別のところにまわす、自分で投資先を決める、お金がリターン

 

消費はお金を自分のために使いますが、その他の3つは「今使わないお金を、社会のために使っていいですよ」と言って社会に流すことです。

 

貯金は、銀行に貯めるので、銀行が投資先を決めることになります。私たちに投資先の決定権はありません。リターンは利子でしょうか(超少ないけどね!)

 

寄付と投資は、自分でどこにお金を使うか決めることができます。違うのはリターンです。寄付はお金ではなく、「寄付して良かった」といった満足感など、精神的なものが得られます。投資の場合は、お金が戻ってきます(損することもあるけど)。リターンが精神的なものかお金かが違うだけで、寄付と投資はとっても似ているんです。

 

この説明の方法を見ても、「投資を学ぶには、まず寄付を学べ」と言われることがよくわかります。しかも、投資は損する可能性もあるけど、寄付は損とかあんまり関係ないですしね。

 

社会をよくするための事業に投資するインパクト投資というものもあります。

ノーリスク・ハイリターン!?「インパクト投資」を実際にやってみた! - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

コインチョコを数える子供2人

コインチョコ大好き!

 

お金持ちになるには

主体的にお金の使い道を決めること 

上記のように、「meからwe」とか、「銀行じゃなくて自分が寄付・投資先を選ぶ」とかの説明を見ていくと、「マネーリテラシーを身につける=お金の使い方を自分で決められるようになること」と言っても良いかもしれません。

 

お金持ちになりたければ、自分のお金の使い方は自分で選択できるようになること!日本人は消費や貯金ばかりで、寄付や投資はあまりしていないとよく言われますが、「主体的にお金の使い道を決めていない」ということかな。

 

企業の宣伝に惑わされて消費をし、とりあえず貯金をしておく。社会をよくするのは、政府とか誰かの責任。そんな風に、他人にお金の主導権を握られていて良いのか、日本人!?

 

寄付をするとお金持ちになれる

お金の使い方を主体的に決められない人が、果たしてお金持ちになれるでしょうか。なれませんよね・・・。

 

「寄付をするとお金持ちになれる」「お金持ちは寄付をしている」とよく言われます。収入の10%を寄付するのが良いとも言われますね。

 

その理由は、

  • 運気が上がる
  • 「寄付できるほど自分はお金を持っている」と自己暗示できる
  • 社会のために良いことをしているから、お金が集まってくる

などと説明されることが多いみたいです。

 

この記事の流れで言うなら「寄付することで、お金の使い道を主体的に決める力がつくから」寄付するとお金持ちになれる、という感じでしょうか。

 

どれも納得いく人には納得いく理由ですが、ピンと来ない人にはピンときませんよね・・・。寄付しない人には、一生ピンと来ないでしょう。

 

どうしたら寄付できるようになるのか?

では、どうしたら寄付をして、お金持ちへの第一歩を歩めるようになるのか。考えてみたいと思います。

 

寄付できる人はどんな人か?

ケニアの支援をされている亀谷さんのブログにわかりやすく書いてあります。 

寄付しない人=優しくない人 じゃないよ | ケニア・エイズ患者と孤児の自立支援 Tumaini Nyumbani(トゥマイニ・ニュンバーニ)希望を我が家に

 

寄付する人の共通点は、ズバリ、「寄付したことがある」という共通点です。 

 

この意見、私もまったく同じ意見です。

 

ファンドレイジング協会 も同じように「寄付経験が大事」と考えているようです。Learning by Givingという教育プログラムでは、子供たちに10万円~30万円程度のお金をたくし、どこのNPOに寄付したらよいか考える授業を行っています。

子どものころから、寄付をする経験を積ませるのが大事だということですね。

「どこに寄付したらいいかわからない」方にお勧め!Learning by Giving - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

 

寄付大国ミャンマーも日常的に寄付をしている

私の住むミャンマーは、寄付大国です。世界寄付ランキングで何度も世界1をとったことがあるくらい!後発発展途上国で貧しい国ですから、「お金持ちだから寄付できる」というわけではないです。貧しい人でも割と日常的に寄付をしています。

 

「寄付は自分が裕福になってからする」という人に見てほしいミャンマーの寄付事情 - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

 

ミャンマーは熱心な仏教徒が多いので、僧院や僧侶に寄進をする人が多いです。そういう宗教的な寄進を日常的にしていく中で、「寄付する楽しみ」を覚えて、宗教的以外な面でも寄付するようになるのではないかと思います。

 

ちなみに、ミャンマーでは「今よりもっとたくさん寄付できるようになりますように」 という言いまわしがあります。寄付してくれた人に対して、寄付を受けた側がこういう言葉を普通に言います。最初は「もっと寄付しろということ!?」と思ってびっくりしたのですが、「ますますのご発展をお祈りします」的な意味だということがだんだんわかってきました。

 

ミャンマー人は、お金がなくても寄付をします。そして「私にお金があったら、もっとたくさん寄付できるのに!」と思っています。だからこういう言葉が普通に出てくるんですね。

 

まずは1回寄付すべし!

オリラジのあっちゃんの動画でも言われてましたが、寄付をできる人になるにはまずは1回目の寄付をしてみること!この一言に尽きます。

 

コンビニに置いてある募金箱に小銭を入れることからスタートしても良いですが、目的は「お金の使い道を自分で選択する力を身につけること」ですので、できれば寄付先を自分で選ぶのが良いです。

 

どうやって探せばいいかわからない方は、これらの記事を参考に。

寄付先の簡単な選び方3選!面倒くさがりでも効率的に選べる - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

寄付で自己表現!ソーシャルポートフォリオ「solio」で気軽に世界を良くしよう - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

里親制度、奨学金、チャイルドスポンサーシップ系寄付を徹底比較! - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

 

とにかく1回やってみるべし。まずは月収の1%からスタートです。月収20万円なら、2,000円。飲み会1回より安い金額です。コロナで飲み会減っている今なら、いけるという方も多いのではないでしょうか?10万円の給付金ももらったことだし。(コロナで影響を受けている業界の方は無理なさらずに!)

 

投資と違って、損することはないです。寄付先の団体から感謝されて嬉しくなったり、報告書が届いたりするかも。クラウドファンディングなら、何か物などのリターンがもらえるものもあります。楽しみながら、まずは1回目の寄付をやってみましょう!

 

おすすめの寄付先はこちら!

ミャンマーのチン州に学校を建てよう

https://terrapeople.secure.force.com/goencrm__projectinfo?pcd=chinconstruct

 

皆で寄付先を選ぶ「新しい贈与論」

こちらは、かなりマニアックなおすすめになるのですが・・・「新しい贈与論」という面白いコミュニティーがあり、私も参加しています。寄付や贈与について皆で勉強するオンライン上のコミュニティーです。

 

面白いのが、毎月「共同贈与」を行っていること。毎月、指名されたメンバー3名が、それぞれ自分が推したい寄付候補団体を推薦します。会員皆は、その3つの推薦団体をいろいろ調べて、どの団体に寄付したいかを投票します。一番票数を集めた団体に寄付をします。

 

選ばれた団体には、いきなり50万円くらいのお金が振り込まれるんです。事前通告なしで、いきなり謎の「新しい贈与論」という団体からお金が振り込まれているとか、ちょっと怖いですよね(笑)

 

新しい贈与論

 

開票のときは、自分の投票した団体が選ばれるかどうかドキドキします。他の会員がどういう理由でその団体に投票したのか、お互いに選抜理由を読むことができるのも楽しい。

 

月に1万円の会費がかかりますが、90%は寄付になります。皆で選んだ団体に寄付されるし、「3つの中から寄付先を選ぶ」という経験を毎月することになるので、とても面白いです。ファンドレイジングの勉強にもなるし。

 

今は募集終了しているみたいですが、また募集再開されることもあるみたいなので、気になる人は注目しておいてください!