NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

ミャンマーのタウンジーという町で、国際協力をやっています。NGO活動、ミャンマーあれこれ、国際結婚育児ネタなど

【ミャンマーローカル線】タウンジー→カックー→サイカウン路線を徹底解説

ミンガラーバー。

ミャンマー在住10年目、鈴木亜香里です。

 

マニアックなミャンマーブログを書いているせいか、ときどきマニアックなお問い合わせを受けることがあります。「ミャンマーの鉄道全線制覇」を目指しているという、普通の人の感覚からすると「はぁ??」な乗り鉄さんからのお問い合わせをいただいたことも何度かあります。

 

2020年5月30日に、NHKで「行くぞ!最果て!秘境×鉄道 ミャンマー」という番組が放送されました。私は放送は見れていないのですが、SNSなどの情報によると、タウンジー→カックー→サイカウン路線が取り上げられたとのこと。

 

実は、「この路線を乗りたい」という乗り鉄さんのために、アレンジをしたことがこれまでに数回あります。(私自身はこの路線は乗ったことはないです・・・)

 

今はコロナの影響で難しいですが、コロナ後にまた乗り鉄さんが来やすいように、情報をまとめておきます。

 

この路線が紹介されたメディア 

「行くぞ!最果て!秘境×鉄道 ミャンマー」

番組情報をwebより、引用しておきます。また再放送があるといいですね!

 

[BSプレミアム] 2020年5月30日(土) 午後7:30~午後9:00(90分)

 

番組内容

鉄道王国ミャンマーの思いやり列車。多民族が乗車するスイッチバックとループ線の急峻な山岳路線。そしてなぜか終着駅が地図にない謎の路線も!旅人は俳優の音尾琢真さん。

 

詳細

何が飛び出すかわからない!ミャンマー「秘境×鉄道」。立ち入り禁止の村でなぜか途中下車し、岩盤だらけの間を通る山岳路線!そこで見た神様の動物の姿とは?そして終着駅はなんと地図にも載ってない。どうして?そこで出会った少年との不思議な巡り合わせに、旅人の音尾琢真さんも絶句。異国の小さな無人駅で知った現実。時速15キロ、様々な民族衣装の陽気な人々と一緒に乗り合うオンボロ列車で2000の仏塔が林立する絶景へ

終着駅サイカウンは地図に載ってないのですか?あの辺では大きな町なので載ってると思ってたのですが。番組見てないのでよくわかりません。

 

下川裕治『東南アジア 全鉄道制覇の旅 タイ・ミャンマー迷走編』

大人気乗り鉄作家、下川さんの本。「全鉄道制覇」ですから、もちろんこのタウンジー、サイカウン路線も取り上げられています。

 

この本、実は私も出ています。下川さんは、タウンジーサイカウン路線の存在を知らなかったのですが、私が「この路線乗りました??」と世間話ついでに聞くと、「・・・乗らないといけない路線が増えた・・・」と、絶望的な顔をされたのを覚えています。読んでね!そのくだりがこの本に載っています。

 

 

ちなみに、下川さんのこっちの本にも私は登場しています。パンデー(中国ムスリム)の取材に来られました。

 

タウンジー、サイカウン路線に乗る方法

タウンジー、サイカウン路線 の不思議

テレビでも紹介されたかもしれませんが、この路線は他の路線と全く独立していて、接続されていないんです。だから下川さんも見落としていたみたい。

 

ヤンゴンからシャンに来る路線は、シュエニャウン止まりです。シュエニャウンからタウンジーまでは、車で約40分。ここが、まったくの列車空白地帯となっています。

 

実は、以前は列車が走っていたそうです。まだ線路が残っています。シュエニャウンからタウンジーは、いろは坂のような山を登らなければならず、線路をすごく遠回りさせたりして大変らしい。車だとパッと登れてしまうので、だれも利用しない路線になってしまったようです。

 

でも、たまーに列車の音が聞こえます。軍が必要なときに列車を動かしているとのこと。音は聞いたことあるけど、姿はまだ見たことがありません。かなりレアですね!

ミャンマーの列車と、列車を待つ民族衣装を着た地元の人たち

カックーへ向かう列車(HOME Myanmar提供)

 

難易度が高い

ミャンマーの全線乗車は、かなり難易度が高いと言われています。日本よりも全然路線は少ないのですが、乗り鉄さんいわく「日本のほうが楽」とのことです。

 

というのも、日本は時刻表があって運行時間が決まっているし、ネットですべての情報を集めることができます。

 

しかし、ミャンマーの場合は、1日1本という路線が多いし、情報をすべて把握している人がどこにもいません。ヤンゴン中央駅に聞きに行っても、地方の路線の情報は全く得られないそう。現地に行くまで、その路線が動いているのか、止まっているのかもわかりません。運もかなり必要です。

 

この路線も例のごとく、1日1本しか走っていません。早朝にサイカウンを出発し、昼にタウンジー着。そして昼過ぎにタウンジーを出発して夕方にサイカウンに戻っていきます。

 

サイカウンは、数年前まで外国人が立ち入り禁止だった地域。外国人が宿泊可能なホテルはありません。ミャンマーは民泊も基本NGですので、サイカウンに前泊することも、後泊することも無理なのです。

 

車をチャーターする

ホテルがないので、車を準備しておくしかありません。バスなどの公共交通もありませんので、タクシー手配の一択です。

 

おすすめは、タウンジーから昼発の列車に乗り、タクシーにサイカウン駅で待っていてもらう方法です。サイカウンータウンジーは車で約2時間。夜18時に列車がサイカウン駅に着けば、夜20時くらいにはタウンジーのホテルに戻ることができます。

 

タクシーの料金は、タウンジーサイカウン間で60,000ks(約4200円)です。

夫の旅行会社で手配いたします。以下webサイトよりお問い合わせください。

peraichi.com

 

カックーホテルに宿泊

2019年より、カックーパゴダの前にホテルができました。サイカウンまで乗らなくても、雰囲気を味わえれば良いというライトな乗り鉄の方の場合は、この方法もおすすめです。

www.ngomyanmar.com

 

昼すぎにタウンジーより列車で出発し、カックー駅で下車。ホテルにチェックインしてカックーを観光し、1泊。

翌朝カックーからタウンジーまで列車に乗って帰れば、タウンジーにお昼くらいに着きます。

 

両方とも列車にせずに、片道だけ列車にして、片道はタクシーにするという方法もありますね。タクシーにしたほうが、ホテルでの滞在時間は増えるでしょう。

 

ホテル予約、タクシー予約だけならAsian Royal Star。安い!飛行機の予約も一番安い!

peraichi.com

 

かなり上級者な方法ですが、カックーホテルで一泊したあと、トレッキングでインレー湖のほうまで歩くというのもありです。こういうマニアックなツアーは、HOME Myanmarが手配してくれるでしょう(私は面倒なのでヤダ!笑)。HOME Myanmarには、奥カックーツアーなんかもあります。料金は少し高めですが、ガイドさんがついてくれて、ディープなミャンマーを楽しむことができます。

home-mm.com

 

タウンジー、サイカウン路線で途中下車するなら

ただ列車に乗るだけじゃなく、カックー以外にも見どころはありますのでご紹介します。

 

タウンジーの併用軌道

乗り鉄の方から教えていただいたのですが(乗り鉄たちは、一体どこから情報を仕入れているのか・・・??)、タウンジーに線路と道路が一緒になっているところがあります。とてもフォトジェニックなので、鉄道オタクじゃない人も楽しめます。近くにタウンジーで一番オシャレなカフェ「The Upper House」もあります。

線路と道路が一緒になったところを歩く児童

列車は来ないよ!

タウンジーの地図広域

広域地図

ナウンカ村

タウンジーから車で約30分行くと(列車だともう少し時間がかかるでしょう)、ナウンカ村があります。ここは、私が所属するNGO「地球市民の会」が運営する農業センターがあります。また、サッカー場もあって、12月には地域のサッカー大会で大変盛り上がります。詳しくは、カックーパゴダの記事の下のほうに書いてあります。

www.ngomyanmar.com

 

サイカウン

 終点のサイカウンは、何もないです。ただ、おいしいフルーツがよく取れるところです。6月~8月くらいなら、パイナップルがすごく美味しい!たくさん売っているので、買ってみてください。

 

「ピャーナンナン」 (はちみつパイナップル)と言って買うと、少し高いけど特に甘いやつを売ってくれますよ。

 

 

 

はやくコロナがおさまって、ミャンマーに来られるようになると良いですね!タウンジー→カックー→サイカウン路線の手配と、ミャンマー国内航空券の手配は、Asian Royal Starにお任せあれ!!(他の路線は遠くてわかんないので、乗り鉄ネットワークで頑張ってください~)

peraichi.com