ミンガラーバー。
ファンドレイジングに燃えている鈴木亜香里です。
私の所属する地球市民の会では、毎週1時間程度、事務局皆でファンドレイジングについて話し合う会議(FR会議)を実施しています。今日は第四回!
かなり団体内部の話になっているので、読者の皆さんがついてこられているか心配ではありますが・・・話し合いの記録として残しておきます。
前回までの記事を見たい人はこちら。
【FR会議1】ファンドレイジング目標を立てる - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート
【FR会議2】寄付チャネルを整理する - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート
【FR会議3】ケースステートメントを作る - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート
潜在力チェックリスト
本日の目的とゴールの確認
本日の内容は2つ
- 潜在力チェックリストについて
- Panasonic組織基盤強化助成金の申請準備
目的:ファンドレイジングのために当会が活用できる資源を可視化するため。
ゴール:支援者リストの重要性やアタックリストの重要性・作成方法が理解できている状態。
今日の内容は、話し合いというよりはセミナーで学んだことの共有という感じでした。潜在力チェックリストの回と言いつつ、半分はデータベースの話となりました。
潜在力把握チェックリストとは
ファンドレイジングのために自団体が活用できる資源は何があるか、棚卸をする。お金をかけて広告を打てない小さい団体にとっては、お金以外の資源がとっても大事!
地球市民の会の場合は、理事会や支援者さんが重要な気がします。今回は支援者さんについて考えました。
バースデードネーションの反省
6月後半に実施したバースデードネーション、無事に30万円の目標を達成し、第二ゴールの40万円も達成しました!
バースデードネーションの文章を書くコツ - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート
ただ文章を書いて、何回かFBに記事をアップしただけでは達成は難しかったなと思います。バースデードネーションを主催してくださった方にシェアをお願いし、お友達や一緒にミャンマーに行った方などに個別連絡してシェアのお願いをしました。その際、いったい誰に連絡すべきなのか、誰から誰に連絡したらいいのか、どうお願いすればいいのか、混乱が生じました。
クラウドファンディングやバースデードネーションをやる場合、本当は「アタックリスト」と呼ばれるリストを作り、連絡することが重要だそうです。今回、私たちは準備がギリギリだったこともあり、アタックリストを準備していませんでした(というか、今までアタックリストを準備したことがなかった)。
このバースデードネーションで、「事前にアタックリストを準備することが大事!」と身をもって感じることができました。
データベース
アタックリストを作るには、これまでの支援者さんや潜在支援者さんの情報が入ったデータベースがあると便利です。というか、ないと大変すぎる!
当会では、データベースはSales forceを使用していますが、入金管理くらいにしか利用できていません。もっとちゃんと利用すれば、ファンドレイジングに関するデータ分析にも利用できるようになるし、業務ももっと効率化されるはず・・・。アタックリストも簡単に作れるようになるはずだし。ということで、Sales forceをもっと本気で使っていこうと決めました。
データベースで活用できそうな情報(セミナーで聞いた情報の共有)
- 最初の支援日・・・支援のきっかけを知る(イベント?紹介?など)
- 最初の支援内容・・・ドナーさんとの共通話題や接するときのネタづくりにも◎
- 最終支援日・・・最後の支援からどれくらい空いているか、寄付頻度の傾向などを掴む
- 生まれた年・・・どの年代の支援者が多いか(団体の成長戦略上で支援者年代は大きく関係しうる)
- 自由コメント・・・何時ごろに連絡するのが良いのか、連絡がつきやすい連絡手段、雑談で話したことなどを記載
次回ミーティングで協議すること
- Salesforceの支援ランク基準をどうするか(支援金額によって支援者さんをランク分けするが、その金額をいくらにするか)
- 申込フォームの項目整理・追加
- クラウドファンディング機能を今後どう活用していくか
Panasonic組織基盤強化の申請について
Panasonic NPO/NGOサポートファンド for SDGs - NPOの組織基盤の強化 - 企業市民活動 - CSR・環境 - 企業情報 - Panasonic
こちらの助成金に応募を考えています。前回のFR会議3では、以下のことについて話し合いました。(詳しくは前回の記事参照)
- TPAで働いていて良いところ
- TPAで働いていて嫌なところ
- どうなっていきたいか
申請書の大枠は担当者で作成しましたが、申請書に記載する内容2点について、皆で相談しながら考えました。
組織全体としての3年または5年後の目標(理想の姿)
- 職員が自団体に誇りをもって長く働けている(待遇面含む)
- 若手スタッフが育成されている
- 柱となる国内事業が育っている
- 理事や職員全員が地球市民の会の活動について、自信をもって語れるようになる
- 「地球市民の会といえば」と外部にイメージを与えられる団体になる (今は「地球市民の会=創設者の古賀先生」という感じのままであるため、脱却が必要)
- 団体の知名度が上がっている
- 助成金に頼りすぎず、想いをお金に託してくれる支援者さんが増えている
- 支援者層が若返っている(年配の支援者さんが多いので、若い人も増えてほしい)
- 支援者さんと近い距離(気軽に話せる信頼関係)が構築できている(大手NGOでは支援者数も多いためドライな関係が多いが、TPAは距離感が近い。支援者さんたちとの交流会 。40周年記念時にいろんな人が集まる感じになりたい)
組織運営上の課題
- 収入構造の偏り:2017年よりふるさと納税の収入が寄付金のうち8割を占めている。またミャンマー事業が予算規模の8割を占め、その内訳は9割超えが助成金収入。財政規模としては成長しているが「地球市民」を増やす理念に沿った収入構造になっていない。
- ガバナンスが不明瞭:内部規定や規則は整備されている一方、実際の意思決定の所在やプロセスが明確ではない。組織/事業運営の合意が取れていないため理事会から反対されたり、事務局の意に反した理事会提案が出たりする=双方不満に陥る。事務局内でもトップで決められたことが共有不十分などで不満につながっている。
- 成長戦略の不在:すべてにおいて組織全体の成長戦略がなく各事業の相乗効果が得られていない。組織の指針となる中期計画において各事業ごとのリンクがない状態(一つの舟に乗っている感がない)。
意見
- 優先順位としては3→2→1の順ではないか
- 3は根本ではないか。「課題策定→戦略策定→方法論協議→実施→評価」の「戦略策定」が弱いために、課題の解決がしきれないような感がある。
- 1は3を策定することで改善されていくのではないか
- 早速、専門家に打診していこう
- 理事長と総務&ファンドレイジング担当理事のに報告して進める
- 「職員発信で頑張ってやっていきたい!だから理事会もぜひ巻き込まれてください!」というスタンスで行こう
- Panasonicの助成金が落ちても、コミュニティーキャピタル診断は申込済み
第四回の感想
全体を見れるようになってきた?
これまでは、それぞれが自分の事業のことばかり考えていました。が、FR会議で皆の意見を聞きあうことで、少しずつ全体を見ることができるようになってきた気がします。
私自身、ミャンマーの現場のことばかりで本部のことはあまり考えていませんでした。本部の情報もほとんど入ってこなかったしね。今は昔と違い、ネットのおかげで遠くにいても話し合えるからいいですね。
改善するしかない状況に身を置く
これまでは、例えば「うちの中期計画って適当に決めてるよねー」「助成金に偏っているな」「データベースが使いこなせていない」などと思いつつも、改善しようという動きがなかなか出ませんでした。どうにかしたいと皆が思っていても、それを変えようと動き出す場がなくて、不満を溜めていくばかり・・・。どうしたらいいか、わからない状況でした。
FR会議をして、ブログで強制的に公開して、やらずにはいられない状況にもっていけていることは良いことだと思います。週1回で進捗確認をしあうことになるので、やらずに放置するわけにはいかなくなります。
コロナのおかげ!?
正直、コロナがなかったらzoomも使いこなせなかったでしょうし、私がオンラインで准ファンドレイザー養成講座に参加することもできなかったでしょうし、ここまで団体の行く末に危機感を抱くこともなかったと思います。コロナのおかげで、村に行くこともなかなかできないので、比較的時間もあります。今が団体を良く変えていくためのチャンスと捉えて頑張りましょう!