NGOミャンマー駐在員のハリキリノート

ミャンマーのタウンジーという町で、国際協力をやっています。NGO活動、ミャンマーあれこれ、国際結婚育児ネタなど

海外出産でかかった費用!出産育児一時金はもらえます

ミンガラーバー

ミャンマーで三人出産しました、鈴木亜香里です。

 

出産には、何かとお金がかかりますね。妊娠時に検診を受けないといけませんし、出産時には病院に数日入院したりと費用がかかります。海外旅行保険では出産はカバーされていないことがほとんどですから、どれくらいお金が必要なのか心配な方もいらっしゃるかもしれません。

 

本日は、海外出産(ミャンマー)経験者の私が、出産関係のお金について書きたいと思います。

 

もらえるお金・もらえないお金 

妊婦検診は自腹

妊娠すると、月に1回、検診に行かなければなりません。日本では、妊婦検診は健康保険でカバーされません。が、自治体が補助金を出してくれます。

 

私の場合は、ミャンマーで妊婦検診を受けましたし、日本に住民票はありませんので、私に補助金を出してくれる自治体はありません。なので、検診は自己負担でした。海外旅行保険でも、妊婦検診は対象外です。

 

とはいえ、ミャンマーの病院はそこまで高くありません。検診は1回につき1,000円程度、超音波も1回1,000円程度でした。政府の検診所に行けば、無料で検診をしてもらうこともできます。私は私立のクリニックだったので、有料でした。妊婦が受けないといけない破傷風の予防注射は、政府の検診所で無料でやってもらいました。

 

出産育児一時金はもらえる!

日本では、出産をすると「出産育児一時金」がもらえます。42万円ですね。出産には健康保険がききませんが、この一時金のおかげで、そこまで高額の費用負担をせずに出産することができます。

 

この出産育児一時金、海外で出産した場合ももらるんです。もらうには、日本の国民健康保険、または社会保険に加入している必要があります。私は、日本のNPO団体の駐在員という身分であり、社会保険に加入しているため、一時金をもらえる権利がありました。

 

日本では42万円ですが、海外の場合は40.4万円となります。

 

ちなみに、海外出産でも、出産手当金ももらえます。

 

出産育児一時金の申請方法

社保の方はこちらのサイトを参考に、申請書や必要書類を揃えます。

健康保険出産育児一時金支給申請書 | 申請書 | 全国健康保険協会

 

申請書の記載はあまり難しくありません。医師に記載してもらう部分もあるので、そこだけ注意です。

他には、ミャンマーの出生証明書とその翻訳、出産費用の領収書も用意しました。

 

書類は原本が必要とのこと。今はコロナ禍で、書類を託せる人もいなかったため、ミャンマーから日本まで郵送しました。ミャンマーは郵便事情が悪いので、無事に届くか心配でしたが、25日ほどかかって無事に到着したと聞き、ホッとしました。

 

寝てる新生児

退院前の写真

実際にかかった金額は?

出産時、病院に支払った金額は・・・443,090ksでした。日本円にすると、約35,000円です。安い!!

 

443,090ksには、以下の費用などが含まれています。

  • 分娩室利用料
  • 医師や看護師の人件費
  • 医療器具
  • 個室利用料(30,000ks×4日)
  • 飲み薬(4日分)
  • 個室で使用した電気代
  • 血液検査費用

 

食事は病院で用意してくれず、家族が家から運ばなければなりません。なので、料金には含まれていません。

 

日本では、赤ちゃんの産着などを病院が準備してくれるようですが(そうですか?)、ミャンマーでは赤ちゃんの産着は自分で準備しないといけません。

 

病室の写真

ベッドシーツ、布団、枕も持参しないといけない。

他に、スペシャルナースという、専用ナースをつけることもできます。出産直後に赤ちゃんのお世話をするのは大変なので、今回は2晩スペシャルナースをつけました。スペシャルナースは、12時間が1単位で、10,000ksです。スペシャルナースは看護師の副業であり、支払いは病院を介さずに、スペシャルナースに直接手渡しでした。

 

ちなみに、第一子のときも35,000円くらいでした。このときは、個室代は今より安かったですが、冬場だったので電気代が高くついた気がします。

第二子のときは帝王切開だったため、7万円ほどかかりました。三人の中で一番高かったです。

第三子は、コロナの影響で入院期間が短かったため、一番安かったなぁと思います。インフレもあるのに、第一子のときとほぼ同額でしたので。

 

病室の写真。

飲み水も持参。お湯を沸かすポットも持参。食器も持参。ポットの電気代がけっこうかかる。

 

出産で儲かる!?

402,000円の一時金をもらい、実際にかかった金額は35,000円。367,000円の儲けとなりました!

 

別にお金を儲けたいから子供を産んでいるわけではありませんが、ありがたいことですね。(大きくなってきたら、教育費がめちゃくちゃかかってくるんですが・・・)

 

日本だと、きれいな病院で、医療機器も充実した中での出産でしょうが、ミャンマーでは小汚い病院で、医療機器も日本よりはだいぶ劣る中での出産です。「(言葉が通じたとしても)ミャンマーでの出産は無理!!」という日本人が多いでしょう。

 

私だって、たくさん我慢してる部分もあるので、ディスらないでね。(日本みたいに豪華なお祝い膳もないし、タメイン問題などで大変な思いもしているし、個室のトイレはあまりキレイじゃないし)。毎月保険料をしっかり納めて、一時金をもらえる権利はあるので、決して不正しているわけではありませんよ。

トイレの写真

トイレ。お湯シャワーも浴びれるようにボイラーついてたけど、お湯はチョロチョロしか出なくて無理。

 

ところで、「35,000円しかかからなかった!安い!!」と私が喜んでいたら、夫が「35,000円は高い。別の病院の出産プランだと、20,000円で済んだのに」と言ってきました。町で一番高い病院で、個室も大きめの個室にしてもらったので、一般のミャンマー人よりは高かったのです。でも、一時金で儲かってるんだから、いいじゃん!!と思います。

 

三人目出産のときの話はこちら

三人目出産記(VBACで肉まんの恨みを晴らす) - NGOミャンマー駐在員のハリキリノート