ミンガラーバー(ミャンマー語でこんにちは)。
ミャンマーのシャン州に駐在して9年目、鈴木亜香里です。
ミャンマーで人気の観光地、インレー湖。とても風光明媚な湖で、ボートに乗って観光できます。外国人だけでなく、ミャンマー人にも大人気な観光地です。
私は、これまで100回くらいインレー湖を訪問しています。インレー湖の村を対象としたNGOのプロジェクトもたくさん行ってきました。本日は、インレー湖の自称プロである私が、インレー湖の見どころやオススメ観光プランをご紹介します!
インレー湖とは
シャン州の南部にある大きな湖です。普通の湖と違うのは、湖上で生活をする人たちがいること!「インダー族」と呼ばれる人たちが、湖上や湖畔に家を建てて生活をしています。インダー族の生業は、漁業、農業、観光業。インレー湖は、きれいな自然とインダー族の生活を見学できるスポットなのです。
インレー湖の見どころ
以下、インレー湖の観光スポットをあげます。実際の観光では、以下のスポットから数か所を選んでボートで回ることになります。お任せでも連れて行ってもらえますが、行きたい場所があるなら、ボートの船頭さんに伝えておきましょう。基本は、市場、ファウンドーウーパゴダ、工房3か所くらい、湖上レストラン(ランチ)というイメージです。
中には「インレー湖観光って、お土産屋さんにばかり連れていかれると聞きました。お土産屋は行きたくない」と言う方もいらっしゃいます。が、逆に、お土産屋併設の工房に行かなかったら、何を見るのか!!市場と仏教関係しか見るもんないです。工房を楽しむのがインレー湖観光。欲しいものがなかったら、買わなくても問題ありませんので、安心して工房に行きましょう。
自然
インレー観光にはボートを利用します。湖の周りをぐるりと囲む山を見ながら、澄んだ湖の上をボートで行くのはとても気持ちが良いですよ。水の中を良く見てみると、水草が生えている様子を見ることもできます。場所によっては、魚も見ることができます。
現在は美しい自然をかろうじて保てているインレー湖ですが、環境破壊はかなり進んでいます。インレー湖の環境問題については、こちらの記事をご覧ください。観光する前に読んでおくと、インレー湖観光がより濃いものになるのは間違いなし!
人々の生活
インレー湖に住むインダー族の暮らしを見ることができるのが、インレー湖観光の醍醐味です。
市場
インレー湖では、毎日どこかで市場が開催されています。主に、地元の人たちが野菜や魚・肉、日用品などを売り買いしています。市場の場所によっては、インダー族だけでなくパオ族やタウンヨー族など別の少数民族が参加することも多く、人々の生活を垣間見れて楽しいです。
市場は早朝から始まり、お昼前には終了します。そのため、インレー湖を観光する場合は、まず最初に市場を見学しましょう。満月と新月の日はお休みなので注意。市場の日程は現地で教えてもらえますが、事前に知りたい方はこちらからどうぞ。
浮き畑
湖上に住むインダー族の人々も、農業を営んでいます。湖上で土地がないのに、どこで農業を!?と思いますよね。彼らは、浮き畑で農業をしています。
長い竹を使って水草を湖の中から引き揚げ、どんどん積み重ねて浮き畑を作っていきます。そのままだとプカプカ浮かんで流されて行ってしまうので、長い竹を浮き畑に刺して、地面に固定させます。そこで、トマトやひょうたん、豆類など、さまざまな野菜を栽培しています。
特に、インレー湖のトマトは有名です。ミャンマーのトマト生産のほとんどをインレー湖が担っていると言われています。ヤンゴンやマンダレーで、あなたが口にしているトマトも、ほとんどがインレー産です。ちなみに、インダー語でトマトは「チンチン」と言います。楽しいね!
食事
ボートに乗り疲れておなかがすいたら、湖上のレストランでランチを楽しみましょう。オススメはインダー料理。インレー湖産の若いトマトを使った緑トマトのサラダや、インレー湖の魚を使った料理がオススメです。
「インレー湖のトマトは新鮮で、自然で美味しい!」と言っている観光客がいますが、大間違い!浮き畑では農薬をガンガンに撒いています。湖に農薬をそのまま流し込んでいるようなイメージですね。私はお客さんに「農薬まみれのトマトと、農薬の中で育った魚ですよ!」と説明します。顔を引きつらせながらランチを食べるお客さんを見るのが、とても楽しいです。
写真撮影スポット
インダー族が船を漕ぐときは、オールを足にはさんだ独特の漕ぎ方をします。漁をするとき、網を手に持ちながらボートを漕ぐのが大変なので、足を使うそうです。また、寮に使う道具も独特で、とてもフォトジェニック!
観光客にもインダー族の漁の様子を見てもらえるように、写真撮影のモデルが湖上にいます。素敵なポーズをとってくれますよ。ちょっと撮影するだけなら無料で大丈夫ですが、いろいろポーズをお願いした場合はチップを渡すようにしましょう。旅行会社のツアーで行く場合は、だいたいガイドさんが渡してくれるみたいです。
工房見学
インレー湖には、工房がたくさんあります。工房にはお土産屋さんが併設されていて、ショッピングも楽しめます。別にお土産を買わなくても怒られることはないので、気軽に訪問しましょう。そして、最初はかなり高い値段を言われるので、値引き交渉も楽しみましょう。10%~20%くらい値切る気持ちで。
蓮織物
インレー湖に来たら、絶対に行ってほしいのが蓮織物工房です。蓮の茎から繊維を取り出して糸を紡いでいます。最近はカンボジアかどこかにパクられたようですが、蓮の糸を使うのは世界でここだけでした。
蓮は仏教にとっては大事なお花。そのため、お坊さんの袈裟にするととても良いと言われています。手触りはざらざらしていますが、肌が敏感な人でもアレルギーが出づらいと聞いたことがあります。蓮の糸は弱いので、じゃぶじゃぶ洗濯するような用途には向きません。
工房では蓮の糸づくり、染色、織物の様子を見学できます。また、お土産屋さんが併設されていて、蓮の製品を買うことができます。生産量が限られており、外国人観光客が増えたこともあり、値段はかなり高いです。ショールが1つ100ドル超え!なかなか手がでませんが、シルクと蓮を組み合わせたショールなどは安いものもあるので、旅の記念にぜひゲットしてください。
銀細工
銀細工工房も楽しいです。どういう風に銀を取り出して加工するのか、見学することができます。こちらもメインはお土産屋さん。ピアスや指輪、ネックレスなどを販売しているので、女性はいろいろ迷ってしまいますね。
いつもスタディでツアーで寄ると、大学生の女の子たちが楽しそうに迷いながらショッピングをしています。女性の場合、最低でも30分はかかるんです。が、あるときオジサンだらけのツアーで銀細工工房を訪問したところ、5分もかからずに終了しました。オジサンにとっては、「ふーん」で終わるスポットです。
葉巻
湖上になぜか葉巻工房もあります。女性たちが床に座って、ものすごいスピードで葉巻をまいています。1本で3ks。一日1000本くらいできるので、3,000ksの日当となるそうです。いろんなフレーバー入りの葉巻も売っています。葉巻やタバコを吸う方、素朴なミャンマー女子の写真を撮りたい方などにオススメのスポットです。
首長族の家
首長族の方と会えて、一緒に記念撮影をできる場所があります。首長族はタイの民族とよく誤解されていますが、ミャンマーのカヤー州にいる民族です。観光客が多いタイやインレー湖へ出稼ぎに来ています。機織りをしたり、写真撮影に応じてくれたりします。たくさんの観光客が一眼レフで写真を撮りまくっているのを見て、ちょっと微妙な気持ちになったりもするシュールスポットです。
竹細工の店
私も2019年8月に初めて行きました。比較的新しい観光スポットです。竹細工をやっている家族が開いているお店で、かわいい竹グッズがたくさん!私もテンションが上がって、竹製の時計やお皿を購入してしまいました。特に工房は見れないようですが、値段もお手頃なので、お土産を購入するのにオススメです。
鍛冶屋・船大工
鍛冶屋では、ナイフなどをトンカン作るのを見学できます。様々なナイフ類のお土産販売もありますが、観光客買うのか・・・?と思います。2~3人が息の合ったトンカンを見せてくれるので、なかなかシュールで楽しいスポットです。
船大工は、「インレー湖で乗る船はこうやって作ります」「漆を塗ります」的な説明をしてくれるだけで、大したことはなかった印象。
鍛冶屋と船大工は、訪問の優先順位が下がります。リピーターの方はぜひ。
仏教関係
ミャンマーの観光地といえば、パゴダや僧院などの仏教関係施設は外せません。
ファウンドーウーパゴダ
ミャンマー人観光客なら100%行くのが、ファウンドーウーパゴダです。外国人もほとんどの方が行きます。ご本尊は5体の仏像なのですが、信者が金箔を貼りすぎて、団子状態になっています。男性の方は金箔を貼ることができるので、ぜひどうぞ。さらに団子を丸くしてきてください。
→2019年8月時点で、ガラスのケースが設置され、金箔を貼れないようになっていました。今後は、お祭りのときのみ貼れることになったそうです。
団子になる前の仏像の写真や、インレー湖の水位が高かったときと低かったときの写真、世界各国のお金などが展示してあります。ファンドウーパゴダの伝説に関する絵も展示してあるので、ぜひ見てみてください。
安くロンジーを買いたい場合は、ファウンドーウーパゴダご本尊下にある市場がオススメ。他の工房などでもロンジーを売っていますが、インレー湖で一番安くロンジーを買えるのは、間違いなくここです。ミャンマー人も買っています。
ガペー僧院
Jumping Cat Monastryとも呼ばれています。以前は、ジャンプをする猫がいたそうですが、最近はもうジャンプはさせていないとのこと。でも、猫はたくさんいますので、猫好きの方はテンションが上がります。
かなり貴重な仏像があるそうです。仏像を見たい方は、日中の太陽の光が強すぎる時間はさけましょう。外の日光に目をやられて、暗い僧院内の仏像がほとんど見えなかったことがあります。
インテインパゴダ
時間に余裕があれば、ぜひインテインには行きましょう。少し遠いので、ボート料金は3,000ks~5,000ksプラスになりますが、その価値はあります。まず、インテインパゴダに行くまでの水路が楽しい!まるでディズニーランドのジャングルクルーズです。
インテインに着くと、ボートを降りて、長い参道を登っていきます。途中で、崩れかけた仏塔群を目にすることができます。だいぶ修復が進んできていますが、まだ崩れかけパゴダもたくさん残っています。廃墟感が好きな方にオススメ。実は、私はカックーパゴダよりもインテインパゴダのほうが、廃墟感があって好きです。
インレー湖の気候
雨季は雨に降られることが多く、土砂の影響で湖も濁りがちです。乾季は水量が減って、ボートが通行不可になる場所もあります。
インレー湖は標高約900メートルくらい。ボートに乗ると風も吹くので、かなり冷えます。薄手のカーディガンくらいでは到底かないません。フリースや小さくなるダウンなどの温かい上着を用意しましょう。
また、日差しも強く、紫外線も気になるので、帽子やサングラス、日焼け止めクリームもあると良いです。日傘はボートについています。
アクセス
ヘーホー空港を利用します。ヘーホー空港から車で約1時間でニャウンシュエという町に着きます。ヘーホー空港からニャウンシュエまでのタクシー代は、約30,000ks。ヤンゴンのタクシーに乗り慣れている方にとっては、高いと思うかもしれませんが、これが普通の価格です。地元の人も30,000ksで乗っています。距離がかなりあるのと、タクシーの台数が限られているので仕方がありません。「ぼったくられた!」と勘違いをして、しょっぱなからインレー湖の印象を悪く持ってしまう人がいるようなので。ぼったくりではないですよ。
ニャウンシュエの町には、外国人向けのホテルやレストランがたくさんあります。湖上ホテル(100ドル超え)に泊まれるようなセレブではなく、一般的な旅行客、バックパッカーは、ニャウンシュエの町に宿泊することになります。一度ホテルにチェックインして、荷物を預けましょう。
ニャウンシュエでボートをチャーターして、インレー湖に向かいます。ボートは1日だいたい30,000ksです(船頭さん、燃料費込み)。インテインパゴダに行く場合は、追加料金(5,000ks程度)が必要。5人乗りのボートですので、5人で乗ったほうが一人あたりの金額が安くなりますね。安くしたい場合は、ホテルの人に相談して、他の観光客とシェアできないか聞いてみましょう。もちろん、一人で1台を貸切ることもできます。
ニャウンシュエからボートに乗り、30分くらい水路を行くと、インレー湖に着きます。北から南まで、だいたい片道1時間くらいの距離をボートで移動することになります。かなりの長い時間をボートで過ごすこととなります。その間、ボートのエンジンの音がうるさくて、同行者とおしゃべりもままなりません。最初は景色を見たり、写真を撮ったりして楽しいのですが、だんだん飽きてくるので、本などの時間をつぶせるものを持っていくのが良いでしょう。
まとめ
以上がインレー湖の基本情報となりますが、まだまだ紹介したい観光スポットが残っています。また、インレー湖の環境問題について、知っているのと知らないのとでは雲泥の差!どんどん解説記事を書いていきたいと思いますので、お楽しみに。
インレー湖訪問のための航空券手配は、こちらがオススメ。私の夫がやっている旅行会社です。飛行機チケット手配を一番得意としています。おそらく、一番安い価格で手配できます。日本語でやりとりできます(私が対応します)ので、お気軽にお問合せください。
観光の基本情報を理解したあとは、環境問題について学びましょう。知ってからインレー湖に行くのと、知らないのとでは雲泥の差!せっかくの旅行なので、事前知識を仕入れて、インレー湖を深く味わいましょう。