ミンガラーバー(ミャンマー語でこんにちは)。
インレー湖の環境保全活動をやっています、鈴木亜香里です。
インレー湖の環境問題についての記事を書いてきました。
これからインレー湖に行くという方は、ぜひ環境に配慮した観光を楽しんでいただきたいと思います。エコツーリズムの視点で選んだ、オススメ観光スポットをご紹介します。
蓮の織物工房「コータンライン」
染色後の水を浄化する設備あり
インレー湖といえば、蓮織物が有名です。蓮から繊維を取り出して、機織りで布を織ります。蓮の繊維は繊細ですし、手作業なので、途方もない時間がかかりますね。
蓮の工房は「インポウコン村」に多く存在しています。この中でもオススメは「コータンライン」という工房です。コータンラインは、インレー湖の織物工房の中で唯一、染色後の汚水を浄化する設備を持っています。
他の工房は、染色後の水はそのまま流しているんでしょうね。インポウコン村の周りの水も調査したことがありますが、かなり濁っていました。
デザインも人気!
織物は、工房によってデザインが異なるそうですが、コータンラインのデザインはかなり人気だそうです。黙っていると、船頭さんの行きつけの工房に連れていかれることになるので、「コータンライン」に行きたいと指定しましょう。有名店ですので、ほとんどの船頭さんは知っています。
ついている値段よりも、だいたい1割くらいは値引きしてくれます。オーナーのコータンラインさんがいたら、「ニーラーウー(私のビルマ名)の友達だ」と言ったら、もしかしたらもっと安くしてくれるかも!?クレジットカードも使えます。
Ko Than Hlaing
Silk and Lotus Weaving
Inpawkhon Village, Inlay Lake, Myanmar.
Tel : 095211891
「Inle Heritage」
ビルマ猫に会える!
猫ちゃん大好きな人にオススメのInle Heritage!ここでは、ビルマ猫の保護活動を行っています。ビルマ猫はかなり数が減っていて、会えるのは実はここだけなんです。とても気品あふれる上品なねこちゃんです。
猫にストレスがかかることを防ぐために、触れる時間が決まっています。それ以外の時間には見学もさせてもらえないので、事前に時間を確認しておくことをオススメします。
インレー湖のミニ水族館
ビルマ猫だけでなく、インレー湖の魚を集めたミニ水族館もあります。インレー湖の魚は貴重なものもあり、熱帯魚マニアの間で1匹1万円くらいで取引されるようなものもあるとか。そんな貴重な魚を展示してあります。絶滅危惧種などの表示や解説も英語でありますので、じっくり勉強しましょう。
水族館も、ビルマ猫と同様に時間が決まっています(ビルマ猫を見た流れで水族館に寄る)ので、事前に要確認です。
エコシステム
施設内には、トイレや台所の排水を自然な方法で浄化するシステムが完備されています。その説明が書いてあるボード。排水を掘の中に溜めて、堀には数種類の水草を入れる。中には魚や微生物がいて、分解をしてくれるみたいです。
小さなオーガニックファームもあります。しっかりとお世話がされています。施設内のレストランで食べられるみたいです。
ホテル・レストラン
施設内には、素敵なホテルとレストランがあります。レストランでは、ミャンマー料理やインダー料理を外国人向けにオシャレにしたものを食べられます。かなり高いので、昔1回ココナッツヌードルを食べただけです。4000ksくらいしました(普通は500ksくらい)。
ホテルは、水上コテージ風の客室があります。ビルマ猫をゆっくり楽しみたい!一日中この施設でゆっくりしたいという方にはピッタリ!猫アレルギー持ちの私は、「ここより安くて、部屋が広いホテルあるよ」と思ってしまいますが、猫好きの方いわく「ぜひ泊まりたい、泊まって猫と何回も遊びたい」だそうです。
実は、研修施設だった
このInle Heritage、実は研修施設なのです。ホテルスタッフを目指す若者たちが、ここで修行をしています。そのため、接客のクオリティも高いです。この研修の修了生は、それぞれのホテルに就職して、頑張っていくことになります。国全体の観光業のレベルアップに貢献しています。
詳しくはWebサイトでご確認ください。場所はインポウコン村にあります。コータンラインの織物工房のすぐ近くです。かわいいお土産ショップも充実しているので、お土産を見るだけでも楽しいです。ミャンマーの作家さんの作品、地元のものをおしゃれにしたもの、エコを意識したお土産など、いろいろ売っています。
「Maing Thauk Bottle School」
ペットボトルで学校をつくっちゃった!
湖畔にあるマインタク村。ここは、ゴミ拾い活動を積極的に行っている村です。地元の人と日本のNGOが協力して、ゴミ拾い運動をやっています。日本の団体が寄付した小さい焼却炉もあります。
村の中心にマインタク高校があります。実はこの校舎、ペットボトルで作られているんです!村の人たちがプラスチックごみを集め、ペットボトルの中にプラスチックごみをギュウギュウ詰めに詰めます。そのペットボトルをレンガの代わりに並べて、セメントで塗り固めて壁にしているんです。ゴミを学校に変える!全く新しい発想です。
ペットボトルスクールは、ミャンマーでは2校目です。1校目はバガンのほうにあるみたいです。バガンに地震が来たとき、普通の学校は崩れてしまったそうですが、ボトルスクールはペットボトルの弾力性のおかげか、無事だったと聞きました。
マインタク村に行きたいと言えば、ボートで連れて行ってもらえます。マインタク村にはフォトジェニックな橋もありますし、孤児院もあるので楽しいです。ただ、高校は部外者は入れないようになっているので、遠くから眺めることしかできないかもしれません。遠くからだと、ペットボトルかどうか、見た目ではよくわからないのが残念。私が所属する地球市民の会のスタディーツアーなら、高校の中に入ってゆっくり見学することができます。
Vila Inle Resortが支援
マインタク村の近くにある高級ホテル、Vila Inle Resortが建設費用を支援しています。このホテル、一度泊まりましたが、とても良いホテルでした。環境への配慮もしっかりしています。オーガニックファームもあります。
地元に寄付しすぎて儲かってないとのうわさなので、皆さん泊まってあげてください(涙)。私が泊まった時のレビューはこちら(旧ブログに飛びます)。
「A Little Eco Lodge」
竹でできたレストラン
こちらは湖上ではありませんが、ニャウンシュエから少し行ったところにあるレストラン・ホテルです。レストランは竹で作られていて、とっても楽しい!家族経営の小規模なレストランなので、事前に注文しないと食べられないこともよくあるそうです。事前予約をしていきましょう。
環境配慮型のホテル
ホテルも併設されています。部屋数は少なく、とてもアットホームな雰囲気。環境に配慮したホテルで、たとえばお風呂のお湯は太陽熱で温めたものを使っています。ホテルの敷地内には、オーガニックファームもあります。生ごみを使って堆肥を作っているそうです。
ここのオーナーは、タイで環境工学について勉強されたそうで、インレー湖の環境保護にも積極的に取り組んでおられます。彼の環境基金への寄付も募集しているそうな。興味がある方は、宿泊して、ゆっくりオーナーの話を聞いてみてください!
まとめ
この記事では、インレー湖周辺で環境に配慮している4か所をご紹介しました。まだまだ面白い取り組みをしているところはたくさんあります。どんどんご紹介していきたいと思います。
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